


私は元義母へ、ジンへのメッセージを託しました。「本人がそう望むなら、自分で考えて自分で行動しなさい、ってお伝えいただけますか? あなたはもう周りの大人の言葉だけを鵜呑みにするような小さな子どもじゃないはずだ、って……」


もし周りの大人の対応が違っていれば、ジンはあんなふうに私を傷つけてくることはなかったでしょう。だからジンが反省をし、自分の意思で私にお願いをしてくるのであれば、また違う話し合いができるかもしれないと思ったのです。

私はジンの養育費をしっかり支払い、ユメをひとりで育ててきました。元義母の言う「親としての役割」は果たしてきたつもりです。むしろ元夫の方が「親としての役割」を果たしていないでしょう。そもそも母親だからって何でもしなくてはいけないってことはありません。親としての役割に父も母もないと思うのです。
私は元義母に言いたいことをすべて伝えました。電話の向こうの元義母の表情は分かりませんが、きっと何も言い返せなかったのでしょう。ただ母親である私自身の中で、このままジンを見捨てることに関してはモヤモヤが残ります。だからもし、ジンが自分の意思でお願いしてくるのなら……。そのときはあらためて本人と話し合いたいと思います。
【第11話】へ続く。
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