タイヤ劣化も大きく、ドライ予想のセッティングがペースアップを阻んだか。三部社長もエールを送る【角田裕毅F1第12戦分析】

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2025年07月07日 12:00  AUTOSPORT web

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2025年F1第12戦イギリスGP 角田裕毅(レッドブル)
 日曜日のレース前、2025年F1第12戦イギリスGPを視察に来ていた本田技研工業の三部敏宏社長がレッドブルとレーシングブルズのガレージを訪れた。

 ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)に三部社長は「期待しているよ」と語ると、折原GMはリヤウイングの説明をした。今回、レッドブルはストレートスピードを重視して、軽めのリヤウイングを搭載していたからだ。

 天気予報では日曜日は午前中に雨が降るものの、レーススタート時には上がり、路面は半乾きから徐々にドライになっていくと予想されていた。

 リヤウイングの説明をした後、折原GMはこう付け加えた。

「だから、レースではあまり雨が降ってほしくないということを説明しました。そして、リヤウイングのことを念頭に置いて、レースを見ていてくださいと伝えました」

 しかし、午前中に降った雨は午後に入ってからも何度もシルバーストンを訪れ、レースがスタートしてからも続いた。

 角田裕毅(レッドブル)は、日曜日のレースをこう振り返った。

「ペースがかなりひどかったです。特にインターミディエイトタイヤを履いた時のデグラデーション(劣化)が大きかったです。レインコンディションには結構自信があっただけに、なぜこうなったのかわかりません」

 日曜日のレースで、角田のペースが上がらなかった理由のひとつが、レッドブルが選定した軽めのリヤウイングにあったことは間違いない。クリスチャン・ホーナー代表も「私たちは、スタートしてからはドライレースになることを予想していたので、賭けに出た」とレース後に語っている。

 雨の巧者であるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションからスタートしながらも、雨のなかでオーバーテイクを許し、スピンまで喫して10番手まで脱落したのは、そのためだった。

 しかし、フェルスタッペンはその後、5位まで挽回した。それに対して、角田はオリバー・ベアマン(ハース)との接触で10秒ペナルティもあり、最下位に終わった。

 その理由として考えられるのは、古いスペックのフロアを使用しているからだと考えられる。フェルスタッペンがオーストリアGPに続いて、このイギリスGPでもさらに進化したフロアを使用していた。つまり、角田はチームメートのフェルスタッペンと比べると2段階古いスペックで予選とレースを戦っていたこととなる。

「ポジティブな点を挙げるとしたら、予選での1周のペースが悪くなかったことです。Q2の2回目のアタックでパワーユニットのデプロイがきちんと作動していなかったことと、マックスとのパッケージの差を考えれば、Q2での0.4秒差は妥当だったと思います」

 レッドブルのテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェによれば、次戦ベルギーGPでは角田も新しいフロアを使用できる予定となっている。

 三部社長もエールを送る。

「結果はまだ出ていませんが、継続してやっていれば、いい結果が出ると思っています」

 シーズンはまだ終わっていない。諦めるのはまだ早い。

[オートスポーツweb 2025年07月07日]

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