首位パロウがまさかの単独コースオフ。ピット戦略的中のディクソンが今季初優勝/インディカー第10戦ミド・オハイオ

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2025年07月07日 12:40  AUTOSPORT web

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2025年NTTインディカー・シリーズ第10戦ミド・オハイオ 優勝を飾ったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)
 7月6日(日)、アメリカ・オハイオ州レキシントンにあるミドオハイオ・スポーツカーコースにて、2025年NTTインディカー・シリーズ第10戦の決勝が行われ、チップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンが優勝を飾った。

 シーズン後半戦に入っている2025年インディカー。迎えた第10戦ミド・オハイオは、土曜日の予選でアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が昨年に続いてポールポジションを獲得。決勝レースは気温32度・路面温度50度のコンディションで晴れ空のもとスタートした。

 90周の決勝レースは、スタートでパロウが首位をキープ。2番手争いは、フロントロウのもう一台のクリスチャン・ルンガー(アロウ・マクラーレン)のインを突いて、キッフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が制した。

 しかし、後方でジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)とグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)がコースオフ。レースはフルコースコーションが導入され、セーフティカー(SC)ランに入る。

 6周目にレースは再開。パロウはふたたび盤石なスタートを切り、その後ろでルンガーが2番手を取り戻した。しかし、パロウは隙を見せず徐々にギャップを広げていく。一方で、8番手スタートのディクソンは、ペースを抑えた走りで異なるピット戦略をうかがわせるレース運びを見せる。

 まず1度目のピットストップは、25周目にルンガー、28周目にパロウが入り、ソフト寄りのオルタネートからハード寄りのプライマリーに交換。30周目には、コース脇にクリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング)が停止した場面を見てディクソンが入り、こちらはプライマリーからオルタネートへ交換する。

 このタイミングで、停止車両の回収を理由に2度目のフルコースコーションが発動。6周のSCランを経た36周目にリスタートが切られた。パロウとルンガーはポジションをキープして1コーナーを抜け、以降はペースに分があるパロウがふたたびギャップを築いていく。

 52周目になると、5秒の差が開いた2番手ルンガーが2度目のピットへ向かい、ペースで苦労したプライマリーからオルタネートへ交換。57周目には首位パロウが入り、こちらはプライマリーからプライマリーへと交換した。

 この時点でトップ争いをする2台は、3度のピットインを行う戦略でレースを進めている様子。一方でディクソンは61周目に2度目のピットインを行い、オルタネートからプライマリーへチェンジした。ディクソンの第2スティントは30周だったため、残りの30周を走り切れるディクソンは2ストップ戦略だ。

 ディクソンは4番手で隊列に戻っており、トップ3はパロウ、ルンガー、コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)の3台だ。ここからは、3度目のピットインのためにハイペースで走る上位3台に、残り周回を走り切ることを優先するディクソンが続く展開となる。

 71周目にはルンガーがピットへ向かってオルタネートを続投、翌周にはパロウが入ってふたたびプライマリーを履いた。パロウはディクソンの前で隊列に復帰した一方、ルンガーはディクソンにポジションを奪われて実質3番手にダウン。その後、トップに立っていたハータが3度目のピットインを行ったが、作業でミスがあり優勝争いから脱落した。

 以降、2ストップのディクソンはルンガーをパスして2番手までポジションをあげたものの、さらにペースを上げる余裕はないようで、パロウに次ぐ位置をキープ。チップ・ガナッシ・レーシングのワン・ツー体制がキープされた状況で、そのままチェッカーを迎えようとしていた。

 しかし残り6周時点で、パロウがコーナリング中に若干リヤの動きが乱れてオーバーシュート。パロウは落ち着いてグラベルにはみ出たマシンをコースに戻したが、加速が鈍った隙を突いてディクソンが首位奪取。しかしパロウは、ルンガーからはポジションを守り、2番手をキープした。

 以降、ポジションが入れ替わったディクソンとパロウは、プッシュ・トゥ・パスを駆使しながら僅差の優勝争いを繰り広げたが、並びかけてバトルするまでには至らず、ディクソンがトップを守り切ってチェッカーフラッグを受けた。

「本当にタフなレースだった。素晴らしいマシンだったし、自分たちの持ち味を最大限に活かして努力するのは、本当に楽しかったよ」と語るディクソンは、2005年以降のシーズンで少なくとも1勝を挙げており、今年もその記録を伸ばした。

 一方、2位フィニッシュのパロウは「正直言って、ただの愚かなミスだった。コーナー進入時に少しコースアウトして、そこで完全にパワーを失ってしまった。マシンは週末を通して、そしてレースを通して素晴らしい走りを見せてくれたから、あれは僕自身のミスだったよ」と振り返り、肩を落とした。順位を入れ替えたもののワン・ツー体制をキープしたチップ・ガナッシ・レーシング勢に次ぐ3位表彰台は、ルンガーが獲得した。

 優勝を逃したパロウだが、ポイントランキング上の選手権リードは揺るがず、8位フィニッシュとなった選手権2位のカイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)との差は93ポイントに広がった。2025年インディカー次戦は、7月12〜13日にアイオワ州ニュートンに位置するオーバルコースのアイオワ・スピードウェイにてダブルヘッダーで行われる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年07月07日]

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