「慶應大に現役合格した才女」がセクシー女優になったワケ。「性を楽しめるようになった」留学先での経験とは

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2025年07月07日 16:20  日刊SPA!

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水谷梨明日
オトナのお仕事に従事する人々のなかには、ときどき高学歴の人間が紛れ込んでいます。
仕事と学歴に直接的な関係はない、とは言っても、意外に思う人が多いのも、また事実。

今回インタビューを受けてくれた水谷 梨明日(みずたに りあす)さんも、そんな「高学歴セクシー女優」のひとり。

留学したアメリカの大学ではジェンダー学を学び、そういった経験が現在の彼女の状況に大きく影響しています。水谷さんが「IQ140の才女」としてセクシー女優デビューしたきっかけや、現在の業界について思うことをズバッと語ってもらいました。

◆ジェンダー学を学んだことで、性に対してオープンになりました

――水谷さんは、高学歴で有名ですよね。慶應義塾大学経済学部に現役で合格したのち、わずか1年で退学しアメリカの大学に行かれたとか。現在も、アメリカの大学に籍を置いているんですか?

水谷梨明日(以下、水谷):はい、アイオワ州にあるグリネル大学で、ジェンダー学を専攻しています。

授業では様々なセクシャルマイノリティ作家の自伝や小説を読んで、みんなでディスカッションしたり、性のお仕事に従事している方たちの権利について学んだり。フェミニズムの歴史なども学んでいました。

――ジェンダー学を学んで、水谷さんの性に対する考え方は変化しましたか?

水谷:良い意味で、性に関してオープンになりました。かつての私は、性を「自分が楽しめるものではない」と思っていたんです。「電車で痴漢されて、イヤな思いをした」って経験もあって、性は「ネガティブなもの」、周囲の人間が「成長して女になっていく私を、性的に見て楽しむもの」だと。

でもジェンダーやセクシャリティ、フェミニズムを学ぶことで「性はポジティブなもの」で、「女性が主体的に楽しめるもの」だと考えが変わったんですね。そういう考えが、セクシー女優に興味を持つきっかけになりました。

業界についていろいろしりたくなって、AV新法関連の問題について考えたりとか。

◆AV新法に自分のこととして触れるには、デビューするのが一番

――AV新法のどういった部分に興味を持ったんですか?

水谷:法律で性的なものや、人間が本来自由に表現できるものを規制しているところですね。それにAV新法が、業界の人たちにすごく嫌われているのは、外から見ていてわかったんですが、実際どういった点が変わったんだろう、と。

AV新法は契約の話になるので、実際に自分のこととして触れるには、自分がセクシー女優になるのが一番かな、と考えたんです。

――では、セクシー女優になったきっかけはAV新法の存在ってことですか。実際に自分で業界に飛び込んでみるとは、フィールドワーカー的なアクティブさですね。

水谷:そういう面もありますけど、もちろん自分が性的な行為が好きだから、もあります。裸になるのがイヤじゃない、と言うか、見られたい、みたいな性癖があるので(笑)。AV新法と、自分の性癖の両方があって、デビューしたって感じです。

――それなら、デビューに対する不安などはなかったのでは?

水谷:不安どころか、楽しみすぎて。実際の撮影も楽しかったですし、画面の向こう側の世界に来られた、という気持ちでした。

――実際にデビューして、AV新法についてどう感じましたか?

水谷:ちょっと契約するまで、時間と手間がかかりすぎかな、とは思います。契約書を音読して、細かいところまでプロデューサーさんが時間を取って説明してくれて。

新人女優さんにしっかり説明するのは当然なんですが、もう10年以上活動している女優さんも同じ状況なので、もう少し簡略化しても良い部分はあるかな、と思います。

◆母親にデビューがバレた原因

――デビューに関しては、ご両親には伝えたんですか?

水谷:母は知っているんですが、父はどこまで知っているか……。自分で話したわけではなくて、母にはバレちゃったんですよ。デビューして半年くらいで。

毎月、性病検査の結果がクリニックから自宅に届くので、なんだろうって思ったらしくて。

――いやー、それはバレますよ。

水谷:ねぇ。私も事務所に送ってもらえば良かったのに(笑)。ただ、たぶん私のなかで「絶対に隠さなきゃ」って気持ちがなかったのが原因なのかな、とも思います。

――お母さんは反対しませんでした?

水谷:最初は「辞めてほしい」って言われましたよ。でも私としては、お仕事は楽しいので、辞めるつもりはまったくなくて。「明日もお仕事なんで、行ってきます」みたいな感じでした。私の自由気ままさや頑固さを知っているので、もう「しかたないか」って諦めているんじゃないでしょうか。

◆セクシー女優デビューがきっかけで離れていく友人も……

――周囲の友人や知人は、水谷さんのセクシー女優活動は知っているんでしょうか?

水谷:とにかく「憧れの世界を実体験できた」といううれしさがあったので、InstagramやX(旧Twitter)で「実はデビューしました」って書いたり、学校の先生に話してみたり、全然隠さなかったですね。

――反応はどうでした?

水谷:ほとんどの人は、びっくりして「そうなんだ」くらいで。3割くらいは、男女問わず「どうなの?」って興味を持っていろいろ聞いてくる(笑)。

マイナス反応の人もいたんでしょうけど、私に直接言ってくる人はほとんどいなかったですね。ひとりだけ、モデルやレースクイーンのお仕事をしている子が「もう友達、やめる」と。たぶん、その子はお仕事柄、自分が「性的な目で見られる」ことにすごく葛藤があったんだと思うんです。

――ああ、難しいところですね。仕事的に、ある程度は性的な目で見られるのは仕方がないと思いつつ、そう見られてしまう自分に葛藤がある。

水谷:その子はとくに、アーティスティックな衣装や撮影をメインにする事務所のモデルさんなので。だから私が、なんの躊躇もなく性的なお仕事をしているのが、もしかしたら気に障ってしまったのかもしれません。

◆海賊版の問題を解決する仕組み作りを業界自身がするべき

――水谷さんにとって、日本のセクシー業界の魅力的に感じる部分はどこでしょうか。

水谷:作品を制作する仕組みが、しっかりできあがっているところですね。女優さんがイヤな思いをしないようになっている点や、実際の撮影の段取りが素晴らしい点など、制作現場のインフラレベルが高い部分。そして制作から販売までのルートも、完成している部分です。

でもそれだけに、海賊版などで出演者や制作陣が受け取れるお金が減っているのは、なんとかしないといけない問題だとも思っています。

――海賊版の問題は、非常に大きな問題ですよね。

水谷:もう日本の業界が合法的に、現在の海賊版サイトが果たしている役割ができる仕組みを整えるしかないんじゃないかな、と。今は買い切りか、サブスクのモデルしかないので。

「広告付きで良ければある程度の作品は無料で見られますよ、データや円盤で購入したい方や広告を消したい方はお金を払ってくださいね」みたいな形ですかね。

◆女優さんが適正な収入を得られるような業界になってほしい

――うまく業界が変わっていかないと、ということですね。

水谷:やっぱりメーカーさんも、女優さんも、お金にならなければ続けられないんです。とくに今は、自分でファンサイトの運営をするとか、容姿に自信がある女の子なら高級ラウンジで働くとか、稼ぐだけならわざわざこの業界に飛び込んでこなくてもいいんですよ。むしろ業界より、そっちのほうが稼げるくらいで。

そんななかで、業界で頑張っている女の子たちの収入が、海賊版のせいで減ってしまうのは問題だよな、と思います。

――業界で稼げなくて、海外出稼ぎ売春に行く女優さんの話も耳にします。

水谷:だからこそ、女優さんが適正な収入を得られるような業界になってほしいな、と思うんです。

適正な収入が得られて、ちゃんと生活ができるようになれば、わざわざ危険を犯して海外になんて行かないで済みますから。そういう部分が変わっていってほしいですね。

◆将来は自著を国会図書館に残したい

――水谷さん的に、将来こうなりたい、といった夢はありますか?

水谷:まずは自分のメーカー、と言うか、女の子自身が楽しく、自分の作りたい作品を制作できるようなメーカーが作れたらいいな、と考えています。監督やプロデューサーの経験があるわけじゃないので、そこは修行からスタートなんですが(笑)。

あとは、自分で書いた書籍を出版したい、とも考えています。WEBやXに書いた文章は、どうしても消えていってしまうかもしれないので。私が知った業界のことを書籍という形にすれば、国会図書館などに資料として残せますから。

――たしかに、昔の業界のことを調べようとしても、資料がかなり限られているのが現状ですからね。

水谷:本当にセクシー女優をしている私が書いた本なら、著者名を検索すれば私の出演作が実際に見られますよね。それも業界について知りたい人にとっては、メリットではないかと。

とは言っても、私もまだ業界には3年ほどしかいませんので、大学で学んだことも生かしつつ、これからも知識を深めていきたいと考えています。

<取材・文/蒼樹リュウスケ、撮影/山川修一>

【蒼樹リュウスケ】
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター

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