米政権、新関税の通知開始へ=10〜70%、駆け引き激化―8月1日発動

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2025年07月07日 21:02  時事通信社

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時事通信社

トランプ米大統領=6日、ワシントン(EPA時事)
 【ワシントン時事】トランプ米政権は7日正午(日本時間8日午前1時)から、貿易相手国・地域に新たな関税率を通知する書簡を送付する。税率は10〜70%の範囲になるとの見方を示してきたが、日本を含め詳細は明らかになっていない。「相互関税」上乗せ分の停止期限である9日を前に、米貿易赤字削減に向けた交渉が合意に至っていない国との駆け引きは激しさを増している。新関税率は8月1日に発動する。

 「最大限の圧力をかける」。ベセント財務長官は今月6日放送の米メディアで、停止期限を目前に控えるタイミングで書簡を送る狙いをこう強調した。新たな税率を8月1日に適用することは、交渉期限延長を意味するわけではないと説明したが、事実上約3週間の猶予を持たせ、譲歩を引き出す構えだ。

 トランプ大統領は6日、東部ニュージャージー州で記者団の取材に応じ、7日に送付する書簡について「12カ国か15カ国になるだろう」と語った。対象国などは即日公表する見通し。170カ国以上と交渉しており、停止期限の9日にかけて書簡を順次送る方針だ。

 トランプ氏は日本の税率について「30%か35%」と言及し、原油など米国産品の購入拡大を迫っている。石破政権としては20日投開票の参院選まで安易な妥協はできない。ベセント氏は「参院選があり、どうなるか見守る必要があるかもしれない」と日本の出方を注視している。

 一方でベセント氏は、関税の書簡を各国に送りつけても交渉が進展しなければ、8月1日から相互関税の関税率を4月に公表した水準に戻すとけん制した。米貿易赤字を多く抱える「18カ国」が念頭にあるといい、日本が含まれる可能性もある。

 米政権は貿易額が少ない約100カ国に対する書簡も数日内に送付し、これらの国々には相互関税の基本税率である一律10%を適用する方針だ。これまでに英国やベトナムと貿易協定締結で合意し、カンボジアも合意を発表した。トランプ氏は「9日までにほとんどの国と合意か書簡のどちらかが完了する」と自信を見せた。 
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