医療削減、地方から悲鳴=トランプ減税、与党に足かせも―米

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2025年07月07日 21:02  時事通信社

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時事通信社

米南部ケンタッキー州のベシア知事=1月23日、スイス・ダボス(EPA時事)
 【ワシントン時事】トランプ米大統領肝煎りの大型減税関連法を巡り、低所得者向け医療制度「メディケイド」の削減が、地方の医療に大きな打撃を与えるとの懸念が強まっている。「われわれは危機に陥る」(米病院団体)との悲鳴も上がる。来年秋の中間選挙を控え、地方の医療削減は与党共和党の足かせになりかねない。

 「米国の地方にとって、顔をまともに殴られるようなものだ」。南部ケンタッキー州のベシア知事(民主党)は6日、米CNNテレビのインタビューで、危機感をあらわにした。

 大型減税関連法では、減税や国境警備対策の財源を捻出するため、月80時間の労働要件設定といった受給資格厳格化などを通じ、メディケイドの予算を圧縮。削減規模は向こう約10年で1兆ドル(約145兆円)超に上り、全米で1180万人が無保険者になるとの試算もある。

 医療情報サイト「KFF」によると、米国の地方では4人に1人がメディケイドに頼る。ベシア氏は「ケンタッキー州だけで20万人が医療保険を失い、2万人の医療関係者が失職する。地方の病院では、収入の4〜5割がメディケイドの可能性があり、病院の運営維持に関わる」と訴えた。

 一方、ベセント財務長官はCNNに対し、「メディケイドは本来、妊婦や障害者、14歳未満の子供を抱えた家庭向けのものだ」と強調。「健常者は社会的弱者ではなく、労働要件設定は世論の支持も高い」と述べ、理解を求めた。

 トランプ氏は3日の演説で、大型減税関連法は「中間選挙運動で使える。無駄な支出は削減される」と主張した。しかし、法案を巡っては共和党内でも異論が噴出し、上下両院とも僅差での可決だった。今後は有権者に対する同法の売り込みが「次の政治的なテスト」(米紙)となりそうだ。 

このニュースに関するつぶやき

  • 減税は富裕層に有利で、低所得層の医療補助を削減して減税財源捻出となり、次の選挙で共和党がボロ負けするだろう。しかしトランプの事だから絶対に自分の責任を否定するのは当然の事。
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