優勝した奴田原文雄(右)と東駿吾(左:ADVAN KTMS GRヤリス Rally2) 2025年JRC第5戦ラリー・カムイ 7月5日から6日にかけて、北海道ニセコ町を拠点にJRC全日本ラリー選手権第5戦『2025 ARKラリー・カムイ』が開催され、奴田原文雄/東駿吾(ADVAN KTMS GRヤリス Rally2)が優勝。奴田原のJN-1クラスでの勝利は2020年以来、5年ぶりだ。
全8戦で争われる2025年シーズンは、前戦のモントレーで前半戦が終了。このラリー・カムイから後半戦に突入するとともに、北海道でのグラベル(未舗装路)イベント2連戦に入っている。
初日にSS1からSS7の計7本、最終日はSS8からの4本、2日間合計11本のスペシャルステージ(SS)で争われた今大会は、直近の2大会で連勝を飾った新井大輝(AHAGI シュコダ ファビア R5)のステージベストで開幕した。奴田原が3.6秒おくれの2番手につけ、勝田範彦(GR YARIS Rally2)が3番手で続くトップ3に。
続くSS2で早くもリーダーが入れ替わる。マシンにトラブルが発生した新井がここで戦線離脱し、代わってこのSS2でベストタイムを刻んだ奴田原が首位に立った。同時に勝田も2番手に順位アップ。3番手にはヘイキ・コバライネン(AICELLO速心DLヤリスRally2)が続く状態で初日のサービスを迎える。
奴田原は午後のオープニングとなったSS5で、大会3本目のステージベスト叩き出して首位をキープ。勝田を逆転し2番手となったコバライネンとの差を17.1秒に開く。トップとの差を詰めたいコバライネンだったが、直後のSS6で駆動系トラブルに見舞われデイリタイアとなってしまう。
また、勝田も同ステージで大きく後れを取り3番手から5番手にポジションダウン。これによりSS6を制した鎌田卓麻(Castrol TEIN DL ファビア)が総合2番手に、福永修(ミロン☆焼肉ふじ☆CTE555ファビア)が3番手に浮上した。このトップ3オーダーはレグ1最終ステージのSS7後も変わらず、奴田原が28.6秒の大量リードを持ってラリーを折り返した。
トヨタGRヤリス・ラリー2での初優勝に向けて突き進む奴田原は最終日も4SS中、2本のステージを制し、最終的に後続とのギャップを55.8秒にまで拡げてフィニッシュ。2020年の開幕戦新城以来、実に5年ぶりの総合優勝を飾った。コドライバーの東にとってはJN-1初優勝となっている。
総合2位となった鎌田は今季最高位を更新。表彰台の残るひと枠をめぐる争いは、SS9で福永を逆転した勝田に軍配が上がり、福永は4位に。新井敏弘(SUBARU WRX VBH)がトップ5の最後を締めくくった。JN-2以下、各クラスのウイナーは下記のとおりだ。
前述のとおりグラベルイベントが続くJRCの次戦は、第6戦ラリー北海道だ。今大会と同様にXCRスプリントカップ北海道との併催となる同イベントは、9月6〜7日に北海道十勝地方で開催される。
■2025年JRC全日本ラリー選手権第5戦『2025 ARKラリー・カムイ』順位結果
Pos./Driver&Co-Driver/Car/Time
総合1位/奴田原文雄/東駿吾/ADVAN KTMS GRヤリス Rally2/1h11’47.7
総合2位/鎌田卓麻/松本優一/Castrol TEIN DL ファビア/1h12’43.5
総合3位/勝田範彦/保井隆宏/GR YARIS Rally2/1h13’04.1
JN-2優勝/大竹直生/橋本美咲/GR YARIS GR4 Rally/1h17’48.2
JN-3優勝/山本悠太/立久井和子/Sammy K-oneルブロスYHGR86/1h21’45.1
JN-4優勝/高橋悟志/箕作裕子/ミツバWMDLマジカル冷機スイフト/1h25’58.3
JN-5優勝/松倉拓郎/山田真記子/DL☆Gセキネン鹿ソニックセラメタヤリス/1h23’13.4
JN-X優勝/天野智之/井上裕紀子/TRT・DLアクアGR SPORT/1h27’58.9
[オートスポーツweb 2025年07月08日]