
北九州市を中心としたうどんチェーンで、近年全国的な展開を見せている資さんうどん。
今、SNS上ではそんな資さんうどんの店内ポップに記載されたある方言が大きな注目を集めている。
「資さんうどん両国店。塩味が強いことを『辛い』という西日本の方言があった」と件のポップを紹介したのはフリーライターの西村まさゆきさん(@tokyo26)。
「とろろ昆布は入れすぎると出汁が辛く(塩辛く)なります」と書かれたこのポップ。「辛さ」と「塩辛さ」は別の味覚ではないかと思った方もあるかもしれないが、北九州市を含む西日本では塩辛いことも辛いと表現することがあるのだ。西村さんに話を聞いた。
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−−このポップをご覧になった感想を。
西村:「塩味が強いことを『カライ』というのは、西日本の方言だよな」と思い出しました。ぼく自身も東京に長いこと住んでますが、鳥取弁が出るときは「カライ」を使います。
−−資さんうどんが、案内書きにあえて方言を使用することへは?
西村:いいんじゃないでしょうか? 国立国語研究所の『日本言語地図』の、しおからい(鹹い)の方言地図をみると「カライ(KARAI)」というのは、東海から西日本にかけて多く使われる方言のようです。『日本方言大事典』(小学館)によるともともと塩味は「しおはゆい」と表現していたらしく、北関東から東北地方に残る「ショッパイ」はそれが変化して残っている言葉のようです。
そして「カライ」は塩味に限らず「刺激の強いことをさす」言葉だったようで、時代が進むにつれて、唐辛子のような刺激と区別するために「シオカライ」などと言うようになったようです。「ショッパイ」の方が、古い言葉(が残っている)と言えるかもしれません。
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東北地方でも年配の人が塩味が強いことを「カライ」ということがあるのは、「ショッパイ」にくらべて「カライ」は新しい言い方だったため、塩味のことを上品にいう場合あえてモダンな表現として「カライ」ということもあったのではないでしょうか。
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SNSユーザー達から
「コナンで関西人かどうか見分ける方法でやってた。」
「二郎系ラーメンでは『カラメ』なので西日本方言とは思わなかったです。それよりも『塩っぱい』のほうが全国的でなかったとは」
「関東生まれ関東育ちですが、『塩辛い』事を『辛い』と表現することは良くあります」
など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。読者のみなさんは塩辛さを感じた時「辛い」を使うだろうか。
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(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)