限定公開( 1 )
7月4日、ついに『D.Gray-man』のコミックス29巻が発売される。およそ3年ぶりとなる新刊発売なので、心待ちにしていたファンも多いのではないだろうか。
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作中ではいよいよクライマックスに向けて、数々の謎が明らかになりつつある。そこで今回は、途中で物語を追い切れなくなってしまった読者に向けて、ここ最近までの展開を振り返っていきたい。
同作は2004年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が始まったダークファンタジーマンガの金字塔。作中で描かれるのは、世界の終焉を目論む千年伯爵率いる「ノアの一族」と、彼らに唯一対抗しうる力“イノセンス”を行使する「エクソシスト」の戦いだ。
主人公のアレン・ウォーカーもエクソシストの一員として幾多の戦いに身を投じてきたが、のちに彼自身が「14番目」と呼ばれるノアが現世によみがえるための“宿主”だったことが明らかに。敵対関係にあるイノセンスとノアのどちらをも身に宿すアレンの運命、イノセンスの核となる“ハート”の正体、聖戦の裏に隠された真実……。そして数多くの謎を残したまま、同作は『週刊少年ジャンプ』から移籍した。
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現在は『ジャンプSQ.RISE』で連載中だが、掲載誌が変わったことで、最近の展開を追えていない人もいるかもしれない。しかし物語上では、さまざまな進展が描かれてきた。
まず、14番目の宿主であるという事実が発覚して以降、エクソシストを擁する「黒の教団」内での立場が大きく揺らいでいたアレンだが、覚醒の兆しなども重なって、ついに監禁されてしまう。そんな彼の前に現れたのは千年伯爵でも悪性兵器「AKUMA」でもなく、「アポクリフォス」と呼ばれる自立型イノセンスだった。
アポクリフォスの狙いは、アレンと融合し、14番目を消し去ること。この場に介入したノアの一族によってアレンは辛うじて逃げ出すことに成功するも、同時に教団からは“裏切り者”とみなされ、追われる立場となってしまう。
敵であるノアに狙われるばかりか、かつての仲間だった教団からも敵と見なされ、さらにはイノセンスの化物からも執拗に追われることになったアレン。現在はそんな彼の過去編が展開されており、過酷な幼少期や育ての親同然だった“マナ・ウォーカー”との出会いなどが描かれている。「アレン」という名前は本名ではなく、マナの飼い犬から受け継いだものであることも明らかになった。
そして、ここでも暗躍してくるのがアポクリフォスだ。そもそもアポクリフォスは、“ハート”を護るためだけに存在する、いわば神の番人。しかしその使命のもと、人間であろうとエクソシストであろうと容赦なく排除する姿は、絶対的な正義とは言いがたい。むしろアレンを救ったノアの一族のほうが、正義に見えるという逆転現象が生まれている。
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かつてアレンの師匠だったクロス元帥は「この戦争にゃ裏がある」と言い残していたが、現在の状況を見ると、たしかに“正義と悪”の単純な構図の戦争ではなさそうだ。ここからまた大きく状況が動いていくのかもしれない。
■物語の根幹を揺るがす事実も明らかに!
またアポクリフォスが護り続ける“ハート”の正体も、長年ファンの間で考察されてきた大きな謎の一つ。ハートのイノセンスはこの世にただ一つしか存在せず、もし破壊されれば残りのイノセンスもすべて消滅してしまう。逆に世界の終焉を止める力を持ちうる存在でもあり、この聖戦の勝敗を決する切り札とも言えるだろう。
これまでアレンや仲間のリナリーにハートの可能性が浮上したが、結局その正体は今なお明らかにされていない。ただ現時点では、アポクリフォスがハートと直接繋がる唯一の存在であることは明白で、アレンと初めて対峙した際にも「みんなアレンを心配しているよ とくに『ハート』の御方がね」と意味深な言葉を残していた。
アレンがハートである可能性はほぼゼロになったとも言えるが、果たしてその正体はすでに登場しているキャラクターなのか、それともまだ姿を見せていない人物なのか……。この先、真実が明らかになることに期待したい。
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そしてもう一つ、ファンの間で大きな関心を集めているのが、『D.Gray-man』の世界そのものにまつわる謎。実は掲載誌を移籍して以降、高層ビルが立ち並ぶ現代のような風景が1コマだけ登場したことがあった。
それはノアの一族、ロード・キャメロットの発言によれば、どうやら地上と空を突き破るような巨大な存在――「柱」によって消された世界だという。そして、柱は“いつか千年伯爵が成るといわれるもの”だと説明されている。
さらに気になるのが、過去編にてクロス元帥がロードに向けた言葉だ。「ここはおまえらがいた世界じゃない」「同じ運命を辿るとは限らん」などの発言から、『D.Gray-man』の世界が“ループ”している可能性、あるいはパラレルワールドが存在する可能性が浮上している。世界の秘密が明らかになった際には、ノアの一族の“真の狙い”も見えてきそうだ。
もちろん今回紹介したのはあくまで物語の一部にすぎない。この機会に最新刊まで追いついて、深淵なる世界の謎に向き合ってほしい。
(キットゥン希美)
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