苦手な虫退治が「ゾンビ映画級の大騒動」に!スリッパで叩いたら…“まさかの展開”に絶叫した夜

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2025年07月08日 09:10  女子SPA!

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女子SPA!

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あなたには忘れることのできない恐怖体験がありますか? 怖くてたまらなかったできごとが、意外な形で心に残る思い出となることもあるようです。今回は、“あの虫”との戦いを「まるでゾンビ映画でした」と振り返る、とある女性のエピソードをご紹介します。

※この記事には、害虫(ゴキブリ)に関する具体的な描写が含まれています。苦手な方や不快に感じる可能性がある方はご注意ください。

◆近所の空き家の解体のせい? 大嫌いなあの虫が

最近、井上友理奈さん(仮名・32歳/会社員)が一人暮らしをするマンションの近くにあった空き家が解体されました。

「そのせいなのか、初めてうちのキッチンに“G(ゴキブリ)”が出たんですよ。2年間住んでいて一度も見かけたことがなかったのに……。どこから入って来たんだろう? と怖くなりましたね」

長野県の実家で暮らしていた頃はいっさいGが出たことがなかったという友理奈さんは、極端にGが苦手でした。

「とりあえず“そいつ”を見失ったらいけないと思い、キャーキャー叫びながら近くにあった小さめのダンボール箱を被せて閉じ込め、念のためやかんをのせて重しにしました」

◆どうしても殺せないので、友人に助けを求める

でも怖くて直接殺すことのできない友理奈さんは、友人の祐実さん(仮名・31歳/IT関係)に電話をして助けを求めました。

「祐実は学生時代にバイトしていた飲食店にGがよく出たそうで、『それ以来Gに強くなった』と言っていたのをふと思い出したんです」

祐実さんは、すぐに殺虫剤を持って駆けつけてくれました。

「さっそく退治してもらおうと祐実に任せたら……なんと箱の中はもぬけの殻で、あいつが消えていたんですよ」

この部屋のどこかに潜んでいると思うと気持ち悪くてたまらない友理奈さんは、祐実さんに手伝ってもらいながら、おっかなびっくり捜索を始めました。

「家のどこかにあいつがいると思うだけで、引き出しひとつ開けるのにこんなに勇気がいるなんて……。普段自分がリラックスしている空間がいきなりお化け屋敷になってしまったようで悲しかったですね」

◆怖すぎる……ゾンビ映画のような展開に絶叫!

なかなかGが見つからないなか祐実さんがトイレに立ち、しばらくすると、短い悲鳴が聞こえてきました。

「急いで様子を見にいくと、祐実がトイレのスリッパでGを仕留めていました。ありがたいと思いましたが、そいつの下半身が少し千切れているのを見て吐きそうになってしまいました」

祐実さんはトイレに行く際に「すぐに帰ってくるけど、いざとなったらこれで自分の身を守って」と、まるで拳銃を託すように、友理奈さんに殺虫剤を握らせてくれていました。

「なので祐実はスリッパを汚してしまったことを謝ってくれたんですが、『そんなのは買い換えればいいだけだから大丈夫! それよりこんな嫌な役目を引き受けてくれてありがとう』と彼女を讃えながら、死骸を片付けるためのティッシュやビニール袋などを準備して現場に戻ったんですよ」

すると、そこにはGの下半身だけが残されていて、上半身は消えていたそう。

「思わずキャー! と絶叫してしまいました。ゾンビ映画のような展開にクラクラしながら、祐実と必死になって上半身を探したんです」

◆こんなところで息絶えないでほしかった

するといつの間にか空が白んできてすっかり朝になってしまいました。

「祐実が来てくれたのが20時過ぎだったので、とんだ長期戦になってしまいました。2人とも身も心も疲れ切っていたので、一旦コンビニでも行ってイートインで朝食を食べながら休憩しようということになったんですよ」

そして友理奈さんが靴を履こうとした時、何だか胸騒ぎがしました。

「よく見たら触覚のようなものが目に入り、祐実に確かめてもらったら……なんとあいつの上半身が靴の中で死んでいてゾッとしました」

トイレから玄関はすぐ近くなので、きっと瀕死のGは力を振り絞って逃走し、靴の中に身を沈め息を引き取ったのでしょう。

「気持ち悪いので、その場で靴ごとビニールに入れて捨てました。幸いにも安いフラットシューズだったのでホッとしたというか、お気に入りの高い靴だったら泣いていたと思います」

◆ハイテンションで勝利の一食を堪能

そうしてようやく害虫退治に成功した友理奈さんと祐実さんは、やっと一息つくことができました。

「何だかとてつもない達成感があり、朝日に照らされていたら妙にテンションが上がってしまった私。気がついたら『今から築地場外市場に朝ラーメン食べに行こうよ! お礼に奢るから』と言って、祐実とタクシーに乗っていたんですよ」

そして2人は勝利の打ち上げ気分で美味しいラーメンを食べ解散しました。

「ですがまたいつあいつが侵入してくるかも分からないので、殺虫剤やバルサンを買い込みました。虫除けに効果的だといわれているアロマティカスというミントのような香りがする植物も、ベランダで育て始めました」

◆新たな扉が開いてしまった

それ以来祐実さんは、あの日の朝ラーメンの味と突発的なお出かけのワクワク感が忘れられないようで「またGが出たらいつでも呼んで! でもその代わり朝ラー忘れないでね」と催促してくるそう。

「今のところあれからGは出ていませんが、もしこんなことが定期的に続くのであれば引っ越しも視野に入れて考えなきゃなと思う程にうんざりしてしまいましたね」

「でもずっと食べてみたいと思っていたけど、腰が重くて二の足を踏んでいた朝ラーメンに行けたことは良かったなと思っています。新たな扉が開いてしまった感じです」と微笑む友理奈さんなのでした。
<文/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

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