両陛下、抑留者慰霊碑に供花=戦後80年、モンゴルで黙とう

2

2025年07月08日 18:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

「日本人死亡者慰霊碑」に供花し、黙とうされる天皇、皇后両陛下=8日、ウランバートル(代表撮影・時事)
 【ウランバートル時事】モンゴルを訪問中の天皇、皇后両陛下は8日午後、首都ウランバートルにある日本政府の「日本人死亡者慰霊碑」に供花し、戦後80年に当たり、モンゴルで亡くなった抑留者を慰霊された。宮内庁によると、日本人が抑留された地での慰霊は歴代天皇で初めて。

 終戦後、旧ソ連の捕虜となった旧日本兵ら約1万4000人がモンゴルに移送され、約1700人が亡くなった。雨の中、傘を差した両陛下は碑の前に花輪を供え、深々と頭を下げて1分間黙とうをささげた。その後、天皇陛下が皇后さまを促す形で傘をたたみ、さらに一礼した。

 遺族を代表し、日本遺族会の水落敏栄会長(82)と、鈴木富佐江さん(88)=東京都狛江市=が慰霊に立ち会い、両陛下は2人に声を掛けて労をねぎらった。

 鈴木さんは旧満州の中国・撫順市出身。父の荒井醇さんは茨城県出身で、1945年5月に召集され、関東軍歩兵第240連隊に所属。終戦後にモンゴルに抑留され、47年3月に肺結核で亡くなった。

 鈴木さんは46年に茨城県に引き揚げた。10回以上のモンゴル墓参を重ね、抑留者遺族として、長年「語り部」の活動を続けてきた。この日、天皇陛下から「お父さまが亡くなってご苦労がおありでしたね」とねぎらわれたという。

 取材に対し「とてもありがたく光栄。今までモンゴルの抑留者に日が当たってこなかったので、父をはじめ抑留者たちの魂が浮かばれたと思う。この歴史を若い人たちがつないでいってほしい」と話した。 

天皇、皇后両陛下が「日本人死亡者慰霊碑」の前に供えられた花輪=8日、ウランバートル(代表撮影・時事)
天皇、皇后両陛下が「日本人死亡者慰霊碑」の前に供えられた花輪=8日、ウランバートル(代表撮影・時事)


「日本人死亡者慰霊碑」に供花した後、遺族の鈴木富佐江さん(右)に声を掛けられる天皇、皇后両陛下=8日、ウランバートル(代表撮影・時事)
「日本人死亡者慰霊碑」に供花した後、遺族の鈴木富佐江さん(右)に声を掛けられる天皇、皇后両陛下=8日、ウランバートル(代表撮影・時事)

このニュースに関するつぶやき

  • 鈴木富佐江さん(88)/日本遺族会[とてもありがたく光栄.モンゴル抑留者に日が当たってこなかったので,抑留者達の魂が浮かばれた.この歴史を若い人達がつないでいって]と.こういう事の積み重ねを.
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定