
【写真】横田慎太郎選手の背中がかっこいい『栄光のバックホーム』原作書影
2013年、阪神タイガースにドラフト2位で指名され、2014年に入団した横田慎太郎選手。若きホープとして将来を期待されるも、21歳で脳腫瘍を発症。引退を余儀なくされた彼が最後の試合で魅せた“感動のラストプレー”は、野球ファンのみならず、多くの人々の心に今なお、深く刻み込まれている。
その1球に込められたドラマを描いた横田選手の自著『奇跡のバックホーム』と、彼が2023年に28歳でその生涯を閉じるまで、母・まなみさんら家族とともに闘い続けた人生の軌跡を描いたノンフィクション『栄光のバックホーム 横田慎太郎、永遠の背番号24』が、〈幻冬舎フィルム第1回作品〉『栄光のバックホーム』として、映画化される。
主人公の横田慎太郎選手を演じるのは、元高校球児でもある新人・松谷鷹也。ともにプロ野球選手の父を持つ横田選手と松谷は数年前から親交を深め、横田選手はグローブを、松谷は俳優として最初に着た衣装をお互いにプレゼントし合った。横田選手がホスピスに入られてから松谷は大阪に泊まり込み、横田選手に寄り添った。劇中で松谷は、横田選手から譲り受けたグローブで奇跡のバックホームを完全再現する。
松谷とともにダブル主演を務めるのは、横田選手の母・まなみさんを演じる名優・鈴木京香。揺らぐことのない息子への愛を強く、優しく演じる。
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「栄光の架橋」の歌詞の中で、特に横田選手の心を打ったのは、「悔しくて眠れなかった夜があった 恐くて震えていた夜があった もう駄目だと全てが嫌になって逃げ出そうとした時も 想い出せばこうしてたくさんの支えの中で歩いてきた」という部分だったという。
まなみさんは、この曲が慎太郎さんと自分にとって特別な存在であり、「息子が闘病中、そしてグラウンドに戻ってからも目の影響で悩み苦しみました。そんな時、この『栄光の架橋』という曲があまりにも自分の人生と重なり共感しました。そしてこの曲が自分の大きな励みとなり支えられて立ち上がり、あの奇跡のバックホームが生まれたと思っています。この曲は自分の人生と重なっていると最後のホスピスでも毎日流していました。穏やかな顔をしていました」と語る。
「栄光の架橋」の映画主題歌決定に際し、ゆずからは「28年の生涯を全うした横田慎太郎さんに、最大限の敬意を表して『栄光の架橋』を贈ります」とコメントが寄せられた。
阪神タイガースが甲子園球場で18年ぶりのリーグ優勝を決めた2023年9月14日には、横田選手とドラフト同期の岩崎優投手が9回表に登板する際、自身の登場曲を「栄光の架橋」に変えた。そのとき、4万人の観客が横田選手を想い、大合唱をしたことは、球史に残る出来事となった。
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映画『栄光のバックホーム』は、11月28日より全国公開。