ブレンドン・ハートレー/平川亮組8号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2025年WEC第5戦サンパウロ WEC世界耐久選手権ハイパーカークラスに参戦している、トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)の2025年シーズン後半の戦いが始まった。7月11日、ブラジルのインテルラゴス・サーキットで、今季第5戦『サンパウロ6時間レース』が開幕。トヨタGR010ハイブリッドの7号車と8号車は、2回の練習走行セッションで順調なスタートを切った。
定刻より17分おくれの11時17分に始まったFP1は、気温約20度のドライコンディション。トヨタチームは、再舗装された1周4.309kmのサーキットでのセットアップのベースを作っていくプログラムを進めていく。
90分間のFP1の後、3時間のインターバルを置いて行われたFP2では、ドライバーからのフィードバックを受けてセットアップに変更を加え、2台のクルマでタイヤの解析も実施。この間、トヨタGR010ハイブリッドにトラブルはなく、チームは分析と比較のプログラムをすべて完了している。
2回のプラクティスを終え、1年前のブラジルラウンドでポールポジションを獲得した小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ニック・デ・フリース組の7号車は、僅差となった初日を7番手タイムで終えた。
一方、ディフェンディングウイナーとして2025年大会に臨む8号車は、セバスチャン・ブエミがABB FIAフォーミュラE世界選手権のベルリンE-Prixに出場するためWECを欠場している。そのためブレンドン・ハートレーと平川亮のふたりで6時間レースを戦っていくことになるが、この“コンビ”での初レースを前にした8号車は、16番手で走行初日を終えている。
第5戦サンパウロのレースウイークは、12日土曜にFP3と予選ならびにハイパーポールが行われる。決勝レースのグリッドを決める予選は15時25分(日本時間13日3時25分)開始予定だ。
■TGR WECチームドライバーのコメント
●小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車ドライバー
「ブラジルに戻ってこられて嬉しいです。今日は2回のセッションをどちらもスムーズに進めることができました。路面が再舗装されたため、昨年との違いを比較しながら、このサーキットに向けてクルマの最適化を進めています。まだ目指しているペースには達していないので、さらなるパフォーマンスを引き出すために作業を続け、最善を尽くします」
●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー
「今日の2回のセッションでは、クルマの感触がまったく異なっていたので、その点についてさらに理解を深める必要がある。ライバルたちがやや速いと感じているので、どこまで改善できるかは分からないが、可能な限りの改善を図り、予選と決勝に挑みたい。良い結果を目指して全力でプッシュを続けていく」
●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー
「良い一日で、楽しむことができた。順調に進み、2回のセッションを通じてバランス面などでいくつかの進歩は見られたが、まだ充分な競争力には達していないと思う。シーズンを通して我々のポジションは変わっておらず、何台かのライバルは我々よりも強そうだ。路面が再舗装されても、依然としてタイヤの摩耗がとても重要なので、レースで上位を目指すためにはそこがポイントになりそうだね」
●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー
「サンパウロへ戻れて嬉しい。このコースは本当に楽しめます。再舗装された路面を実際に走り、2回の練習走行セッションはトラブルなく終えることができた。我々は間違いなく中団で厳しい戦いを繰り広げているので、さらなるペースアップのために今夜も作業を進めなくてはならない。亮とふたりでレースを戦うのは初めてだけど、ポジティブな点としては、ひとりあたりの走行機会が増えることだ。ただ、セブのフィードバックがないというのも確かだ」
●平川亮(8号車ドライバー
「今日は難しい一日でしたが、生産的でもありました。再舗装された路面の評価と、そこでのタイヤの挙動を確認することに焦点を当てていました。多くの周回を重ね、分析すべきデータをたくさん集めることができました。このコースでのクルマの特性を理解するために、充分な周回をこなしました。タイムはかなり接近しており、チャレンジングなレースになるでしょう。我々の持っているポテンシャルを最大限に引き出す必要があります」
[オートスポーツweb 2025年07月12日]