ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第11戦ドイツGP 7月13日、2025年MotoGP第11戦ドイツGP MotoGPクラスの決勝レースがザクセンリンクで行われた。18台中8台がリタイアという荒れたレースで、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは4位、アレックス・リンスは10位でフィニッシュし、ふたり揃ってポイントを持ち帰った。
初日はマシンのセッティングを行いつつもトップ5に入る速さを見せ、クアルタラロはスプリントでも「始めからプッシュできると確信していた」と自信を見せていた。そのことがまさに有言実行となり、好調な滑り出しで約2年ぶりとなる3位、そして自身2度目のメダル獲得を果たして自信を取り戻した様子だった。
そんな彼は勢いをそのままに決勝レースへと乗り込んだが、スプリントでのスタート再現とはならず、順位を落としてしまうことに。ただ、序盤に7番手まで回復させることに成功し、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)を追う展開が続いた。ところが、18周目にザルコが転倒を喫したことでクアルタラロは5番手に浮上する。
しかし、前を行くフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)とはすでに10秒以上の差があり、終盤はポジションキープに努める展開となった。序盤から中盤以降も転倒が相次いだことで残り9周でひとつ順位を上げ、最終盤はフェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)の追撃も交わしながら見事守り切り4位でフィニッシュ。表彰台には届かなかったが、13ポイントを持ち帰った。
チームメイトのリンスは初日からタイヤのグリップが感じられず、さらにヤマハ陣営の中でも圧倒的なペースの違いを感じ、苦戦を強いられていた。決勝レースでも序盤に最後尾までドロップし、他者の転倒によって順位を上げることにはなったが、みるみるうちにギャップが広がり後方で苦しい展開が続いていた。
後半には前を走るトラックハウスMotoGPチームのラウル・フェルナンデスと小椋との差は10秒以上にまで広がっていたが、転倒が相次ぐなかでも粘り強い走りを見せていた。残り9周で10番手に浮上すると、最後はそのままポジションを守り切ってチェッカーを受け、6ポイントを持ち帰った。クアルタラロに加えリンスの奮闘により、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームはランキング6位に浮上している。
シーズン折り返しとなる第11戦ドイツGPで、スプリント3位および決勝ではふたり揃ってのポイント獲得で少しずつ右肩上がりな成績を残しているヤマハ陣営。翌週には次戦となる第12戦チェコGPの開催も控えているが、中盤戦以降もどのような走りを見せるだろうか。
ファビオ・クアルタラロ(決勝:4位)
「今日はトリッキーなコンディションだった。グリップ力は少し弱かったと思うけど、僕にとって路面コンディションは良好だったよ。4人のライダーが前でクラッシュしたから、この4位という結果は僕たちのレースの“リアルな結果”ではないかもしれない。1周目から最後まで調子があまり良くなかったから、それもあって今日の結果にはあまり満足していないんだ。ミスはしなかったけど、ラップタイムは期待していたほど良くなかったし、トップからかなり離れた位置でフィニッシュしたからね」
アレックス・リンス(決勝:10位)
「僕たちにとっては、いつもの週末ではなかった。このグランプリは厳しいものだったし、金曜日に直面した問題は続いていたんだ。今日はレースの最初の3〜4周は小椋藍とラウル・フェルナンデスと並んで走ることができたけれど、彼らがプッシュし始めた途端についていけなくなってしまった。他のヤマハ勢は同じような問題を抱えていないようだけど、僕はこれ以上速く走れなかったんだ。次戦ブルノでは、この問題をどう改善できるか引き続き検討していくことにするよ」
[オートスポーツweb 2025年07月14日]