2024/25年フォーミュラE第14戦ベルリンE-Prix チャンピオンを獲得したオリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム) 7月12〜13日、ドイツのベルリンで、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の2024/2025年シーズン11第13戦&第14戦『ベルリンE-Prix』が行われ、第13戦でミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)が、第14戦でニック・キャシディ(ジャガーTCSレーシング)がそれぞれ勝利を飾った。
1戦のみだったインドネシアのジャカルタE-Prixを挟み、ドイツのベルリンE-Prixもダブルヘッダーとして開催された。第13戦は雨の予選でグループのみの走行となり、エバンスがポールポジションを獲得。チャンピオン争いワン・ツーのオリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム)は3番手、パスカル・ヴェアライン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)は9番手からレースをスタートした。
レースは曇りだが、路面は濡れている状況。エバンスがレースを引っ張るが、ジェイク・デニス(アンドレッティ・フォーミュラE)がスタートできなかったことでセーフティカーがオープニングラップで導入された。3周目から再開されると、いきなり首位のエバンスがアタックモードを使用。ヴェアラインも使用してトップ3に迫るが、ローランドは少し遅らせたことでポジションを下げている。
エバンスは逃げていき、ヴェアライン、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)、ロビン・フラインス(エンビジョン・レーシング)の3台が表彰台圏内を争う。ローランドは6〜8番手あたりを走行する。19周目からピットブーストに入るドライバーも見られ、落ち着いた頃にはエバンス、ヴェアライン、ジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)、マキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)、フラインスのトップ5だ。
29周目にはセルジオ・セッテ・カマラ(ニッサン・フォーミュラEチーム)がデイビッド・ベックマン(クプラ・キロ)と接触して、ベックマンがコース上でストップ。2度目のセーフティカーが入った。この際に3番手のベルニュがスローダウンして戦線離脱。33周目に再開されるとローランドが他車に接触されてマシンが壊れてリタイアとなる。5番手のジェイク・ヒューズ(マセラティMSGレーシング)も追突されてスピンするなど荒れた終盤となった。
そんななかでもトップを維持したエバンスがポール・トゥ・ウイン。2位にヴェアラインが入りローランドとのチャンピオンシップポイントの差を50に縮めた。3位はダ・コスタに5秒ペナルティが課されたことで、最終盤にオーバーテイクを見せたエドアルド・モルタラ(マヒンドラ・レーシング)が獲得した。ニッサンはノーポイントとなった。
そして、翌日の第14戦ではハーフウエットの路面でヴェアラインがポールポジションを獲得。ローランドは3番手だが、5グリッド降格で8場手からスタートとなった。
決勝はドライコンディションとなり、ヴェアラインが先頭でレースをリード。ダン・ティクトゥム(クプラ・キロ)、テイラー・バーナード(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)、ダ・コスタ、フラインスなどがコース幅を活かして順位を入れ替えつつ表彰台争いをしている。
序盤はティクトゥムもトップを奪い、7番手付近でバトルを続けていたローランドは、9周目に5番手に。この頃にはヴェアラインが再び首位に立つが、またティクトゥムがオーバーテイク。その後も目まぐるしくポジションが変わっていく。
バーナードがトップに浮上した後の19周目にはセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)がマシンを止めてセーフティカーが導入され、23周目に再開。サム・バード(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)とニコ・ミューラー(アンドレッティ・フォーミュラE)の接触&ストップによりまたセーフティカーが出た。26周目に再開されるとエネルギーマネジメントをしていた下位のドライバーが上がってくる。30周を過ぎるとヴェアラインにトラブルがあったようで後退。一方ローランドはポジションを上げていく。
最後はフラインすが止まってフルコースイエローになり、結果的に予選21番手だったキャシディが後半にエネルギーを使いレースを制した。2位は16番手スタートのデニス、3位は18番手スタートのベルニュだった。ローランドは4位に入り、15位のヴェアラインとポイント差をつけたため初のチャンピオンに輝いた。ニッサン・フォーミュラEチームとしても初のタイトル獲得となった。
ABB FIAフォーミュラE世界選手権の次戦は、7月26〜27日のイギリス・ロンドンE-Prixだ。
■2024/25年フォーミュラE第13戦ベルリンE-Prix 順位結果
Pos./No./Driver/Team/Time / Gap
1/9/M.エバンス/ジャガーTCSレーシング/49’54.398
2/1/P.ヴェアライン/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+0.469
3/48/E.モルタラ/マヒンドラ・レーシング/+10.010
4/5/T.バーナード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/+10.199
5/37/N.キャシディ/ジャガーTCSレーシング/+10.319
6/7/M.ギュンター/DSペンスキー/+11.199
7/16/S.ブエミ/エンビジョン・レーシング/+12.611
8/51/N.ミューラー/アンドレッティ・フォーミュラE/+13.357
9/33/D.ティクトゥム/クプラ・キロ/+13.771
10/13/A.F.ダ・コスタ/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+14.521
11/8/S.バード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/+14.699
12/2/S.バンドーン/マセラティMSGレーシング/+14.728
13/4/R.フラインス/エンビジョン・レーシング/+15.491
14/55/J.ヒューズ/マセラティMSGレーシング/+19.004
15/17/S.セッテ・カマラ/ニッサン・フォーミュラEチーム/+lap
16/22/Z.マローニ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+lap
17/21/F.ドルゴビッチ/マヒンドラ・レーシング/+lap
18/11/L.ディ・グラッシ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+lap
19/23/O.ローランド/ニッサン・フォーミュラEチーム/DNF
20/25/J-E.ベルニュ/DSペンスキー/DNF
21/3/D.ベックマン/クプラ・キロ/DNF
22/27/J.デニス/アンドレッティ・フォーミュラE/DNF
■2024/25年フォーミュラE第14戦ベルリンE-Prix 順位結果
Pos./No./Driver/Team/Time / Gap
1/37/N.キャシディ/ジャガーTCSレーシング/47’29.430
2/27/J.デニス/アンドレッティ・フォーミュラE/+1.533
3/25/J-E.ベルニュ/DSペンスキー/+4.347
4/23/O.ローランド/ニッサン・フォーミュラEチーム/+5.258
5/9/M.エバンス/ジャガーTCSレーシング/+6.791
6/5/T.バーナード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/+7.185
7/21/F.ドルゴビッチ/マヒンドラ・レーシング/+7.553
8/13/A.F.ダ・コスタ/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+9.072
9/17/S.セッテ・カマラ/ニッサン・フォーミュラEチーム/+9.546
10/55/J.ヒューズ/マセラティMSGレーシング/+9.918
11/48/E.モルタラ/マヒンドラ・レーシング/+11.174
12/11/L.ディ・グラッシ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+11.730
13/2/S.バンドーン/マセラティMSGレーシング/+11.945
14/33/D.ティクトゥム/クプラ・キロ/+14.398
15/1/P.ヴェアライン/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+15.417
16/3/D.ベックマン/クプラ・キロ/+16.424
17/51/N.ミューラー/アンドレッティ・フォーミュラE/+17.914
18/22/Z.マローニ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+laps
19/4/R.フラインス/エンビジョン・レーシング/DNF
20/7/M.ギュンター/DSペンスキー/DNF
21/8/S.バード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/DNF
22/16/S.ブエミ/エンビジョン・レーシング/DNF
[オートスポーツweb 2025年07月14日]