東京消防庁の第30代消防総監に就任する同庁の市川博三次長=15日午後、東京都千代田区 東京消防庁の第30代消防総監に就任する同庁の市川博三次長(56)が15日、記者会見した。各地で頻発する自然災害や、増大を続ける救急需要への対応などを課題に上げ、「誰もが安心して暮らせるセーフシティの実現を目指し、全力を挙げて職務を全うする」と述べた。就任は16日付。
昨年発生した能登半島地震や羽田空港での航空機火災などを踏まえ、接近が困難な現場などでの「四足歩行ロボット」の導入や、消火用ドローンの開発を推進する方針を示した。
懸念される首都直下地震については、「自助・共助・公助のバランスの取れた強化が重要だ」と述べた上で、都民の防災意識の向上のため、仮想現実(VR)などの最新技術を用いた訓練などに取り組む。
救急出場件数は、高齢化や猛暑を背景に、2022年以降3年連続で過去最多を記録。救急隊を増強するとともに、「救急車の適時・適切な利用促進を図るための広報を戦略的に展開する」と話した。
神奈川県茅ケ崎市出身で、同県立鶴嶺高卒。1991年に入庁し、第2消防方面本部長、警防部長などを経て25年4月から次長。趣味は散歩。「凡事徹底」を信条としている。