
群馬県前橋市の公園の片隅に、悪魔のような人間の手によって、猫が遺棄されていました。どうして「悪魔のような人間」と断言できるかと言うと、その遺棄状況が、虐待そのものだったからです。
【写真】子猫と外見がよく似た子猫複数が前橋市内の各所で遺棄されていました
ネズミ取りの粘着板に挟まれた上、ビニールで巻かれて息も絶え絶えの状態で棄てられており、発見した人はすぐに警察に通報。事件として捜査が始まったものの、今なお犯人は見つかっていない状況です。
また、遺棄されていた猫のお世話は警察ではできず、休日にもかかわらず保健所の職員が引き取り、自宅にある食用油でネズミ取りの粘着剤をなんとか取り除き、何度も何度も洗って、なんとか体が動くようにはなりました。
前橋市内のあちこちでよく似た子猫の複数遺棄があった
しかし、話はこれだけでは終わりませんでした。
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前述の子猫と外見がよく似た子猫が、同時期に前橋市内のあちこちで複数遺棄されていました。推測では犯人は、あえて前橋市内の様々な場所に、猫たちを遺棄したのだと思います。
体が小さくかわいい猫たちに、「死に至るかもしれない」と分かりながらも、こんな酷い仕打ちが出来る人間が、善良な市民の顔をして社会に潜んでいると思うと、震えが止まりません。
あんな目にあったのにそれでも人間が好き
保護団体・Delacroix Dog Ranchでは子猫を引き取りお世話することにしました。そこでつけてあげた名前は「こんこん」。かわいらしい語感の名前です。
こんこんは保護当初か不思議に思うくらいに人間が大好きで、「ニャーニャー」と甘えるそぶりを見せてくれました。
何故、あんな目にあったのにそれでもまだ人間が大好きなのかと切なくなるほどです。常に人間の周りをまとわりつき、隙あれば膝の上に陣取ります。そして、抱っこをしてあげれば、ギュッと力を押し付けるように胸に顔を埋め、一生懸命フミフミ。
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この可愛らしいこんこんの姿を前に、改めて遺棄した犯人の行動に強い憤りを覚えるとともに、「絶対にこんこんを幸せへと繋ぐ」と固い決心を抱く団体メンバーでした。
優しい里親さんの元で明るく無邪気に過ごす
団体メンバーの強い思いは、里親募集から程なくして実現することとなりました。「こんこんをうちで迎え入れたい」という里親希望者さんが現れたのです。
こんこんはこの優しい里親さんの元に正式譲渡されることとなり、たっぷり甘やかせてもらい保護当時よりもはるかに明るく無邪気に過ごしているようです。
悪魔のような人間の虐待、遺棄に遭ったこんこんが、その辛い過去を忘れるくらい愛情に包まれた猫生を送ってくれると良いなと思いました。
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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