北海道大学は7月15日、札幌キャンパスで見つかった“毒性の疑いのあるセリ科植物”について、日光と反応して刺激を誘発する「光毒性物質」を検出したと発表した。また、この植物の正体は、正確に判断することが不可能とも発表。過去に国内での標本採集記録がないことなどから、北大は「外来種であることは間違いない」と結論付けた。
この事案は、あるXユーザーが6月24日、札幌キャンパスで外来種の有毒植物「ジャイアント・ホグウィード」(和名:バイカルハナウド)に似ている植物を見つけたと投稿したことがきっかけで発覚したもの。ジャイアント・ホグウィードの樹液には、光毒性物質を含まれており、皮膚に浴びて太陽光や紫外線を受けると炎症反応を引き起こす。そのため国内でこのような植物が見つかったことが問題となっている。
北大は今回、採取した問題の植物と、札幌キャンパスに生息するセリ科植物3種(オオハナウド、ドクゼリ、イワミツバ)の茎を分析。問題の植物からは、4種の「フラノクマリン関連化合物」の存在が認められた。セリ科植物3種のうち、オオハナウドからはこの4種の化合物を極めて微量に検出したが、他2種からは検出されなかった。
フラノクマリン類は光毒性物質として報告が上がっており、問題の植物に含まれていた4種の化合物「メトキサレン」「ベルガプテン」「ソラレン」「アンゲリシン」は、フラノクマリンの代表的な成分として知られる。北大がさらに分析を続けた結果、問題の植物の主要な光毒性成分はメトキサレンだと結論付けた。
|
|
この結果から、北大は「万が一当該植物の樹液が皮膚に付着した場合は、直ちに洗い流すとともに、付着部分に日光が当たらないように遮光することで炎症の発症を予防あるいは軽減できる」と説明している。
なお北大以外でも、札幌市白石区東札幌1条6丁目「白石こころーど」付近でもジャイアントホグウィードらしき植物の目撃情報が上がっていた。こちらの植物の成分を分析した結果、札幌キャンパス内の問題の植物とフラノクマリン類の成分や含量はほぼ同一だったという。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。
血液製剤 約1.3万本が使用不能に(写真:TBS NEWS DIG)167
血液製剤 約1.3万本が使用不能に(写真:TBS NEWS DIG)167