『遠い山なみの光』©2025 A Pale View of Hills Film Partners広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊らが出演する、カズオ・イシグロ原作映画『遠い山なみの光』より、メインビジュアルと本予告編が公開された。
ある女が語り始めたひと夏の記憶。その物語には心揺さぶる〈嘘〉が隠されていた――。本作は、1950年代長崎と1980年代イギリスを生きる3人の女たちの知られざる真実に涙溢れるヒューマンミステリー。
公開されたメインビジュアルでは、長崎の山なみを背に、凛とした表情の悦子(広瀬すず)と、ミステリアスな佇まいの佐知子(二階堂ふみ)、そして30年後、イギリス時代の悦子(吉田羊)が揃った。
また映像は、「人間ははね、ときに他人を欺(あざむ)くためではなく、自分を騙(だま)し、困難な真実から目を背けるために嘘をつくんですよ」という、カズオ・イシグロの一節から始まる。
イギリスに暮らす悦子は、娘ニキ(カミラ・アイコ)に問いかけられ、過去へ思いを馳せる顔が、30年前の長崎で暮らしていたころの自分の記憶と重なる。「あんときは、1人で立ってられんかったんです」と戦争直後の自分をふり返る悦子、「あの辺は原爆でなにもかもふっとんじゃったから、しばらくは本当に大変だった」と語る佐知子、悦子のお腹の子を心配し、「君があの日、被爆せんやったとは、本当に良かった」と愛情を見せる夫・二郎(松下洸平)のセリフが続く。
そんな長崎の記憶を語る悦子は、「素敵な思い出よ」とつぶやくも、ニキは「嘘」と言い放つと、画面は一転。鋭い表情の悦子や、「きみにも、もう少し母親らしく振舞ってもらいたかよ」と言い放つ二郎に対し、「母親らしく振舞うって何?」と静かに問いかけたり、自由奔放に自らの人生を謳歌する佐知子を、意味ありげな視線で見つめたり。それぞれの登場人物の感情が交錯し、次第に“あの夏に隠された切なすぎる真実”へと向かっていく。
ニキが母の語る物語の思いがけない真実にたどり着いたとき、観客はそこで明かされる激動の人生に心揺さぶられる。
『遠い山なみの光』は9月5日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)