街頭演説を終え、手を振る日本保守党の百田尚樹代表=3日、東京都港区 「日本は30年間、全く経済成長していない。これは完全に政治の無策だ」。9日、岡山市での熱を帯びた訴えに、聴衆から「そうだ」と歓声が上がった。党勢拡大を目指して自らも立候補。保守票の掘り起こしに奔走する。
小説「永遠の0」などで知られるベストセラー作家だが、岸田内閣で成立したLGBTなど性的少数者への理解増進法に反発。2023年9月に日本保守党を設立した。初挑戦となった昨年10月の衆院選で3議席を獲得。一気に国政政党に躍り出た。
選挙戦ではユーチューブで積極的に発信。「食料品の消費税ゼロ」や「移民政策の是正」など保守色の強い主張を展開する。ただ、自ら公表したがん手術を選挙後に控え、体力面で不安が残る。前名古屋市長の河村たかし共同代表とは、党運営を巡り意見の食い違いもある。
同様に「保守」を掲げる参政党が勢いづいていることも意識しないわけにはいかない。「千里の道も一歩から。自分たちが信じる政策と理念を愚直に訴えていくだけだ」と自らを奮い立たせた。