優勝を喜ぶデイン・キャメロンとPJ・ハイエット(AOレーシング) 2025年IMSA第7戦モスポート 7月13日にカナディアンタイヤ・モータースポーツ・パーク(モスポート・パーク/CTMP)で開催されたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第7戦『シボレー・グランプリ』において、PJ・ハイエット/デイン・キャメロン組99号車オレカ07・ギブソン(AOレーシング)が初優勝を飾った。レース終盤にインターユーロポル・コンペティションにドラマが起きた後の出来事だった。
ポールポジションからドラゴンリバリーの“スパイク”こと99号車オレカを駆り、グリーンフラッグ下で先頭集団を率いたハイエットは、ユナイテッド・オートスポーツ22号車オレカのダニエル・ゴールドバーグを2番手に従えながら最初のフルコース・コーション(SC)までの最初のスティントで圧倒的なリードを築くことに成功した。
ハイエットから交代したキャメロンはトップを維持し続けたが、インターユーロポルの43号車オレカでトム・ディルマンが5番手から2番手に急浮上すると、レースリーダーであるAOを追う姿勢を見せる。
インターユーロポルはリードを奪うためのアンダーカット戦略に成功したものの、ディルマンは最終リスタートのターン3で激しくクラッシュ。レース最終盤でキャメロンにリードを譲ることとなった。
こうしてレースリーダーに戻ったキャメロンはイエローフラッグ下で“スパイク”をチェッカーフラッグまで導き、ゴールドバーグ/トム・ブロンクビスト組の22号車を抑えてIMSAにおけるチーム初のLMP2クラス優勝を飾った。
また、フェリペ・フラガとガー・ロビンソンがシェアするライリーの74号車オレカは、TDSレーシングの11号車オレカがレース後にペナルティを受けたことにより3位フィニッシュに昇格している。ユナイテッド・オートスポーツの2号車(ベン・ハンリー/フィル・フェイヤー組)は、早期にコースアウトを喫したにもかかわらず4位でフィニッシュ。また、PR1/マティアセン・モータースポーツの52号車オレカもドライブスルー・ペナルティから挽回し、トップ5に食い込んだ。
レースのなかでいくつかの接触やクラッシュが発生し、複数回SCが入る波乱の展開となったが、とくに最初の1時間では複数のマシンが絡むクラッシュが発生した。3番手を走行していた04号車のジョージ・カーツ(クラウドストライク・レーシング・バイ・APR)が、ブレンダン・イリベ駆る70号車フェラーリ296 GT3(インセプション・レーシング)を追い越そうとした際、両車がスピン。後方の73号車オレカ(プラット・ミラー・モータースポーツ)と74号車オレカ(ライリー)を巻き込む事態となった。
しかし、レースコントロールがこのクラッシュに対して措置を講じることはなく、4台はレースを中断せずに走行を続けた。
■GTDプロも初勝利。WTRランボルギーニはスピンから逆転
燃料を節約する戦略を採用したドラゴンスピードの81号車フェラーリ296 GT3は、ライバルよりも1回少ないピットストップでレースを走り切ることに成功し、GTDプロクラスでの初優勝を飾ることとなった。
81号車を駆るアルベルト・コスタとジャコモ・アルトーは、GTDプロのグリッド最後尾からスタートしたにもかかわらず、コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツの4号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rを破ってフィニッシュした。
AOレーシングの77号車ポルシェ911 GT3 Rもグリッド後方からスタートしたマシンだが、彼らもまた中盤でラップをリードするなど速さを発揮。3位表彰台を獲得する好成績を収めている。14号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン・レーシング)と1号車BMW M4 GT3エボ(ポール・ミラー・レーシング)もクラスの先頭を走ることはあったが、多様なピット戦略とイエローフラッグによる順位の変動が混乱を生じさせた。
GTDクラスではレース開始直後にスピンを喫したウェイン・テイラー・レーシング(WTR)の45号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(ダニー・フォーマル/トレント・ハインドマン組)がレース後半のイエローフラッグに賭けて勝利し、見事にクラス優勝を飾った。この優勝はフォーマルにとって、自身初となるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権での勝利だ。
ハインドマンはレース後半、ライバルたちが燃料補給とタイヤ交換のために続々とピットインするなかでトラックポジションを維持するべくコースに留まり、残り1時間をGTDクラスの先頭で走行。WTRチームは最終盤のイエローフラッグに賭け、78号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(フォルテ・レーシング)とのアドバンテージを維持していた。
その78号車ランボルギーニは、TDSレーシングの11号車オレカを回避しようとしてバリアに衝突し、レース終了30分前に2度目のイエローフラッグを引き起こすこととなった。
そんなGTDクラスでは、ポイントリーダーの57号車メルセデスAMG GT3エボ(ウィンワード・レーシング)がクラス2位でフィニッシュ。そしてクラスポールからスタートした12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン・レーシング)が3位に続いている。
シリーズ唯一のカナダ・ラウンドを終えたウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦は、GTPクラスを加えた4クラスが集う『IMSAスポーツカー・ウイークエンド』。2025年シーズン第8戦として8月3日に行われる2時間40分レースの舞台は、アメリカ・ウィスコンシン州に位置するロード・アメリカだ。
https://youtu.be/aVJRl455QUo
[オートスポーツweb 2025年07月16日]