ユンホ「僕とは全く違うキャラクター」役づくりはリュ・スンリョンの言葉が励みに「パイン ならず者たち」会見レポ

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2025年07月16日 13:11  cinemacafe.net

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「パイン ならず者たち」会見レポ (C) 2025 Disney and its related entities
ディズニープラス スターにて7月16日(水)より配信開始となる「パイン ならず者たち」から、リュ・スンリョン、ヤン・セジョン、イム・スジョン、チョン・ユンホ(東方神起)など豪華俳優9人が登壇した会見レポートが到着した。

「ミセン−未生−」を手掛けたユン・テホ作家のウェブトゥーン漫画を原作とする本作は、1977年の韓国・木浦を舞台に、“ならず者”たちが、海に眠る貴重な財宝をめぐって激しい奪い合いを繰り広げるクライム・アクション。

映画『犯罪都市』や「カジノ」シリーズを手掛けたカン・ユンソン監督が演出を務め、メインキャストには、リュ・スンリョンをはじめとする実力派俳優たちが勢ぞろいすることで早くも話題となっている。

カン・ユンソン監督は、「大ファンのリュ・スンリョンさんと仕事をするという夢が叶い、うれしかったです」と話す。

「今作には多くのクセのあるキャラクターが登場します。こんなに多くのキャラクターを一つ一つ作り上げていくのは初めてで、作品作りのまた違う楽しみを知ることができました。原作がある作品ですので、基本的には原作に倣い、原作の空白部分を埋めていく形で作業しました」と監督。

「シナリオが完成するまでに1年半ほどかかりましたが、シナリオができてからも、俳優たちの観察をたくさんしたり、キャラクターについて俳優たちといろいろ議論をしたりして、彼ら・彼女らの個性や魅力をキャラクターに反映するべく脚本を書きかえながら進めました」と制作過程をふり返った。

本作の座長を務めるリュ・スンリョンは、「日ごろから一度一緒に仕事がしたいと思っていたカン・ユンソン監督、そして、豪華な俳優陣、スタッフたちと作品を作ることになり胸が高鳴りました」と言う。

「私が演じるオ・グァンソクをはじめ、登場人物のほとんどは、皆『お金があればなんでもできる』という考えのもと、お互いがだまし、騙されながら財宝を探していきます。この作品を観て『欲望という名の電車』という映画が思い浮かびました。本作も、どんなに欲を満たしても、満足という停留所にはたどり着けない、そんな虚無感や終わりのない欲望を表現しています」と作品の全体像を説明した。

「人間ヤン・セジョンとして、一段階グレードアップできた」
青春スターのイメージの強いヤン・セジョンは今回、“ならず者”ヒドンに扮し、イメージチェンジを図った。「ヒドンは、(リュ・スンリョン演じる)叔父にいつも付いて回っている人物。先輩方と演技をする中で、自然と役に入り込むことが出来ましたし、幸せな現場でした。人間ヤン・セジョンとして、一段階グレードアップできた作品なのではないかと思います」と充実感を覗かせた。

イム・スジョンは、財宝を採掘するためのお金を提供する若妻ヤン・ジョンスク役。リュ・スンリョンとは、映画『僕の妻のすべて』で共演して以来、13年ぶりのタッグとなる。

「このような作品で魅力的なキャラクターを演じることが出来てとても幸せです。ジョンスクはソウルにいて、グァンソクたちを裏で動かすという設定なので、“演技の神”である先輩方としょっちゅう会うことはできませんでしたが、時々顔を合わせた時には、キャラクターをどのように成長させて作り上げていくのかなど、多くのことを学ばせていただきました」と謙虚に話した。

まともな人は1人もいない!? 個性派クセ者キャストが集結
開口一番「この作品に、まともな人は1人も出ていません」と言って、笑いをとったキム・ウィソンは、釜山から来たうさんくさい“キム教授”役を演じる。

「船に乗る場面が多く、俳優たちは苦労しましたが、それも楽しかったですし、長く記憶に残る作品になると思います」と撮影をふり返ると、イム・チョンチュル役のキム・ソンオは「チョン会長から、財宝探しの見張り役を命じられたチョンチュルは、ヒドンと出会い、気おされないように牽制したり、対立したり、喧嘩をする中で情が移っていったりします」と役どころを語った。

そして原作には出てこないが、今作で物語が始まるきっかけを作るソン社長役を演じるのは、キム・ジョンス。「北朝鮮の咸鏡道出身の仁寺洞で商いをする人物で、お金の匂いを嗅ぎつけて、グァンソクに財宝探しを依頼します」と役柄を説明した。

“ならず者”たちとは一線を画す存在である警察官ホンギ役には、イ・ドンフィ。「ホンギは木浦で生まれ育ち、警察官として普通に生活をしている人物。警察官ですが警察官らしくないところもあります」と説明し、期待感を煽った。

ユンホ、リュ・スンリョンの「きちんと準備してくるんだぞ」という言葉が力に
「東方神起」のメンバーとして知られる、チョン・ユンホはトップアーティストとしての顔を一切消し、木浦のチンピラ、ボルグ役で新境地を開いた。

「ボルグは血の気が多くて、町ではぼんくらと呼ばれている人物。財宝の話を聞きつけ、キム教授側につきます。実際の僕とは全く違うキャラクターなので、役作りにはプレッシャーがありました」と回想。

撮影中は、リュ・スンリョンのエールで火が付いたようだ。「リュ先輩の『ユンホ。みんな、ハンパないぞ。きちんと準備してくるんだぞ』という言葉が力になりました。先輩のおかげで、楽しく、無事に撮影が出来ました」と語る。

だがイ・ドンフィ曰く、台本読みの段階から全てのセリフを暗記してくるなど、初めから情熱的な姿をみせていたようだ。

イ・サンジンは、忠清道で生まれ育ちソウルに上京した、元格闘技選手テシク役。豪華な先輩たちとの共演に刺激を受けたようで、「信じられないと思う瞬間が多かったです」と明かす。

「先輩と一緒に演技をする中で、自分でも知らず知らずのうちに出てくる感情もありましたし、僕が準備できていなかった感情を引き出していただいたりもしました。特に、(キム・)ジョンス先輩とのシーンでは、多くの感情、不思議な感情を抱いた覚えがあります」と回想した。

最後に役柄説明をしたのは、今回、高倍率のオーディションを勝ち抜き、ソンジャ役を手にしたキム・ミン。

これが公式デビュー作となる彼女は、「ソンジャはポジティブさと希望を持っている人物。ソウルへの上京を目標にして生きています。辛い状況の中でもピュアさを忘れない、垢のついていない人物という面で、他のキャラクターとは少し毛並みが違うのではないかと思います」と少々緊張の面持ちながらも、堂々とした受け答えを披露した。

ならず者、海、70年代…キーワードトークのオチに喝采
制作プロセスを捉えたメイキングフィルムの公開に続いて行われたのは、「ならず者たち」「海」「70年代」の3つのテーマにそったキーワードトーク。本作の視聴ポイントの1つが、全国津々浦々から集まった「ならず者たち」のバラエティ溢れる訛り。

ソウル出身で、今回木浦(全羅道)の方言に挑戦したイ・ドンフィは、最近SNSで韓国を中心にバズり中の「#レッスンミーム」(チョン・ユンホのソロ曲「Thank U」の歌詞をアレンジしたもの)を参考にしたそう。

「少し修正しなければいけない部分や、細かい部分を現場でユンホさんがたくさん教えてくださいました。今、ユンホさんは(SNSで)多くのレッスンをしていますが、『パイン』でも最高の先生として活躍してくださりました」と語る。

また、キム・ミンは、「様々な映像資料や歌を聴きながら、70年代の情緒を感じようとしました。またその地域出身の知人を探して、セリフを録音してもらったファイルを一日中繰り返し聞きました」と努力した様子。

ユンホは木浦の近くの光州出身だが、「1970年代に使っていた口調と今ではニュアンスが違うので、木浦に入った時に、まずタクシー運転手さんにいくつか質問をして、表現のヒントをいただきました。共演者の方々と『こうやってみようか?』とやり取りをするのも役に立ちました」とこだわりを見せた。

2つ目のキーワードは「海」。海に眠る財宝を探す物語ゆえ、海のシーンは特にこだわったようだ。「海のシーンは3段階で撮影をしました。メインは現地でのロケ。ディテールな撮影は水槽セットでし、水中専門セット場でも撮影をしました」と監督。

ヤン・セジョンは「事前に潜りの教育をたくさん受けました。初めは怖かったですが、海の奥深くまで沈んだときの静かな感じがとてもよかったです」と回想。

キム・ウィソンは「昨年の夏、最も暑い時に木浦の海で船に乗って撮影をしました。後半では大きな船に乗っていますが、物語の始まりの頃は丸木舟で、海に出るのが本当に怖かったです」と打ち明ける。

「舟には陰がなくて本当に暑く、熱さとの戦いが一番大きかったです。水槽セットでの撮影になったら少しは楽になるだろうと思ったら、そのとき気温が39度まで上がって、風もなく、海よりももっと暑くて。これまで撮影したドラマ、映画の中で一番記憶に残る現場になりました。苦労をした分、共演俳優たちとの絆も深まったと思います」と熱弁した。

3つめのキーワードは「70年代」。当時の木浦の空気感を見事に再現しているという。

70年代の成金若妻という設定のジョンスクを演じるイム・スジョンは、「ヘア、メイク、アクセサリー……。その時代の女性が出来る最大限の“おめかし”をしています」と、ビジュアル的な役作りについて言及。

キム・ジョンスは「その時代の空気までセッティングしたのかと思うくらいでした。カメラに移らない場所までもが細かく作られていたので、演技をするのも楽でした」とリアルな街並みやビジュアルワークを賞賛した。

記者との質疑応答タイムには、チョン・ユンホに対してミームを使った“鑑賞レッスン”をお願いする声が。

「僕の役は原作ではそこまで具体的に描かれていません。彼の心情、かっとなりやすいのに守りの姿勢も強いボルグの姿に注目していただくのが、最初のレッスンです。そして、二番目のレッスンは、みんなと一緒に楽しむこと。三番目はこのドラマを観ながら一喜一憂しないこと」と話すと、ミームの源である楽曲タイトル「Thank U」と、ドラマのタイトル“パイン”を合わせ、「“パイン”(FINE:韓国ではFをPで発音する)Thank U」としめる。

すると、リュ・スンリョンが「“パイン” THANK U AND “リュ”(YOU)」と粋な返し! この絶妙なやりとりに共演者たちから拍手喝采が湧いていた。

終盤には監督に演出のこだわりを問う質問も。「70年代、私たちの両親たちがどう必死に生きていたのか、どんな雰囲気の中で生きてきたのか私も勉強になりました」と語る監督。

「70年代の空気感を出来るだけリアルに具現化すること、人々の欲望と思惑により物語がどのように変わっていくのかを表現することに集中しました。楽しく作った作品なので、多くの視聴、よろしくお願いいたします」と語り、1時間半にわたる会見の幕を閉じた。


「パイン ならず者たち」はディズニープラス スターにて独占配信中(全11話/初回3話配信、以降毎週水曜2話ずつ)。




(シネマカフェ編集部)

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