約7万人の原爆死没者の遺骨が安置されている原爆供養塔の納骨室=16日、広島市中区の平和記念公園 広島市は16日、平和記念公園(中区)にある原爆供養塔の納骨室を報道機関に公開した。約7万人の原爆死没者の遺骨が眠り、このうち名前は判明したが遺族が見つかっていない812人の遺骨も安置されている。被爆80年の今年、一人でも多くの遺族が見つかるよう、10年ぶりに実施した。
原爆供養塔は1955年に建立された。納骨室には各所に散在していた引き取り手のない遺骨が納められ、棚には名前が書かれた骨つぼが並んでいる。氏名不詳者の遺骨は木箱などに納められている。
市は毎年、遺骨の名簿を全国の自治体などに送付。今年6月には2年ぶりに新たに1人の遺族が見つかり、これまでに計1625人の遺族が判明した。市の担当者は「一人でも多くの人に供養塔の存在を知ってもらい、慰霊の気持ちを新たにしてほしい」と話している。

約7万人の原爆死没者の遺骨が安置されている原爆供養塔の納骨室=16日、広島市中区の平和記念公園