フェラーリAFコルセの50号車フェラーリ499P 2025年WEC第5戦サンパウロ フェラーリのレース&テストチームマネージャーであるジュリアーノ・サルヴィは、WEC世界耐久選手権第5戦の決勝レース中に50号車フェラーリ499Pに対して出されたレースコントロールの「奇妙」な指示に苛立ちを募らせた。この判断は7月13日にブラジルで行われた、フェラーリにとって厳しいレースをさらに複雑にした。
フェラーリは今季開幕戦からル・マン24時間までに4連勝を飾っていたが、サンパウロ6時間レースでの惨敗により連勝記録が途切れた。499Pは競争力不足に苦しむなか、インテルラゴス・サーキットではキャデラック・ハーツ・チーム・JOTAの12号車キャデラックVシリーズ.Rと姉妹車38号車がワン・ツー・フィニッシュを果たしている。
フェラーリの最上位はロバート・クビサ、イェ・イーフェイ、フィル・ハンソンのル・マン優勝トリオが乗るサテライトチームの83号車で8位だった。一方、ワークス参戦の2台は選手権リーダーの51号車が11位、姉妹車の50号車は12位で、ともにノーポイントに終わった。
しかし、サルヴィはレース後、ニクラス・ニールセン/アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ組の後車は、33号車シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(TFスポーツ)との接触がなければ、トップ10フィニッシュを果たしていた可能性が高いと記者団に語った。
インシデントはレース3時間目に発生し、当時50号車を運転していたニールセンが、レタ・オポスタ・ストレートでベン・キーティングがドライブするコルベットを周回遅れにしようとした際に発生した。この接触により、499Pから右リヤのパーツが脱落。デブリ回収のために一時的にフルコースイエローが提示されることとなった。
その後すぐにレースが再開されると、レースコントロールは50号車フェラーリに対して損傷部分を修理するよう指示を出した。サルヴィはこれを「奇妙な指示」と表現した。
この指示により、50号車はテールエンドを交換するために予定外のピットストップを余儀なくされ、残りのレースで不利な状況に陥った。
「50号車は本当に残念なGTカーとの接触があった。だからといってニクラス(・ニールセン)を責めることはできないと思う」とサルヴィは語った。「本当に残念なことに、すぐに『損傷部分のパーツを交換せよ』という奇妙な指示が出された。これは我々のレースを台無しにした」
「我々の意見では、もちろん誰もがレースコントロールとは異なる意見を持っていたと思うが、それは安全な状況だった」
「トヨタがサイドポッドを失っていたり、何か問題があったりするレースを既に経験している。我々としてもドライバーの安全確保を最優先に考えているが、その観点から言っても、あのケースは安全上の問題はなかった。フェンダーが外れただけだったのだから」
「しかし、レースディレクションの判断は異なり、50号車のレースは完全に台無しになってしまった」
サルヴィは、もしレースコントロールが修理を命じていなかったら、チームは次のピットストップで損傷の全容を評価し、テールの交換を検討していただろうと付け加えた。
「空力的に非常に鈍感な部分であることはわかっている」と同氏。「そのパーツはどちらかといえばフェアリングのような部品で、カバーし保護する役割の方が大きい。パフォーマンス面では、メリットもデメリットもなかった」
「だから、最終的には次のピットストップで状態を評価していただろう」
「そこでもし、ケーブルが保護されていないようなことがあれば、交換していただろうし、そうでなければチーフメカニックと共通の判断を下すことになっただろう」
https://youtu.be/jh9L4eggPvo
[オートスポーツweb 2025年07月16日]