アップル社がF1放映権の獲得を目指し、リバティ・メディアと協議。現在契約を結ぶESPNなど複数企業による入札合戦か

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2025年07月16日 18:10  AUTOSPORT web

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2025年F1第6戦マイアミGP スタートシーン
 アップル社は、アメリカでのF1放映権を獲得する協議を行っていると報じられており、同社がライブスポーツにおける存在感を高めることに野望を抱いていることが示されている。『Financial Times』の報道によると、アップルはF1の商業権保有者であるリバティ・メディアと、ディズニー傘下の『ESPN』の現行契約が2025年シーズン末に終了した後の権利入札について、協議を開始したということだ。

 この動きは、アメリカでのF1の存在が新たな高みに到達するのと時を同じくしている。ESPNが2018年にF1の放送を開始して以来、視聴者数は2倍以上に増加した。F1人気は、『Netflix』のヒットドキュメンタリーシリーズ『Drive to Survive(Formula 1: 栄光のグランプリ)』によって大きく後押しされた。このシリーズは、ファンにF1内部の動きを知る機会を提供し、アメリカの視聴者の関心を劇的に高めた。


■興行面の成功がアップルの戦略的動きを促進

 アップルのF1に対する関心は、ブラッド・ピット主演の最新映画『F1/エフワン』の興行的成功によってさらに高まったようだ。この映画はすでに世界中で3億ドル(約440億円)以上の興行収入を上げていることから、F1コンテンツの大きな需要があることが明らかになった。また、アップルのエンターテインメント部門とスポーツ部門の間の相乗効果の可能性が示されている。

 アップルがF1の放映権を獲得すれば、スポーツの生中継はさらに大きな前進を遂げるだろう。同社は2022年にメジャーリーグベースボールの試合の放映を開始した。現在はメジャーリーグサッカーと、10年間のグローバル契約を含む広範なストリーミングパートナーシップを結んでいる。業界アナリストは、F1との契約の可能性は『Apple TV+』をプレミアムスポーツコンテンツの中心とするための、Appleの次なる大きな動きになると見ている。

 財務予測では、今後のF1放送パッケージの価値は年間約1億2100万ドル(約177億9800万円)になると見積もられている。これはESPNの現在の年間8500万ドル(約125億400万円)の契約より高額だが、F1の勢いと放映権をめぐる競争の激化を考えると、この数字はさらに上がる可能性がある。

 Netflixを含む競合他社も、2026年からのアメリカでの放映権を狙っていると報じられており、高額な入札合戦の舞台が整いつつある。アップルにとってF1放映権の獲得は、ストリーミングポートフォリオを多様化するだけでなく、注目度の高いエンターテインメントと高品質なライブスポーツ体験を組み合わせるという、同社の取り組みをさらに強化するものになるだろう。

[オートスポーツweb 2025年07月13日]

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