ステーブルコイン規制法案、成立へ＝議会通過、市場拡大に対応―米

　【ワシントン時事】米下院は１７日、ドルなど法定通貨と価値が連動するように設計された暗号資産（仮想通貨）「ステーブルコイン」の規制整備に関する法案を賛成多数で可決した。上院は通過済みで、トランプ大統領の署名で成立する。

　米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）によると、ステーブルコイン市場は拡大を続け、今年４月初め時点で２３５０億ドル（３５兆円）に達した。しかし、当局の監督がほとんど行われておらず、規制整備が必要とされている。この日の下院採決では、与党共和党だけでなく、野党民主党の議員も半数近くが賛成した。

　ステーブルコインは現在、ほとんどが暗号資産取引で利用されている。ただ、規制整備を背景に普及が進めば、デジタル社会における新たな決済手段として期待される。トランプ氏は「米国を暗号資産の首都にする」と表明し、関連事業の拡大を目指している。

　法案は、当局が認可したステーブルコイン発行者に対し、コインをドルや短期の米国債といった流動性の高い資産で１００％裏付けることを求めている。準備資産の詳細の毎月開示も義務付ける。

　外国のコイン発行者が米国で事業を行う場合、米財務省から海外で米国と同等の規制下にあるとの判断を受ける必要がある。マネーロンダリング（資金洗浄）対策では、発行者は金融犯罪防止を目指した「銀行秘密法」の適用を受け、取引の記録保持や疑わしい活動の監視・報告が必要となる。