「今日の夕食は?冷凍食品はダメ」共働きの新妻に義母から毎日届く「ダメ出し」LINE…誤爆で届いた言葉を失う本音とは

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2025年07月18日 11:40  まいどなニュース

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誤爆だ…!

新婚生活が始まってまもないEさん(20代・愛知県)は、義母から毎日のように届くLINEに戸惑っていました。内容は、息子の夕食に関する細かい注文ばかりで、「無農薬の野菜を使って」「冷凍食品はやめて」といったリクエストが並びます。共働きで多忙な日々を送るEさんにとって、それは到底こなせるものではありませんでした。そんなある日、義母の誤送信がきっかけで、嫁姑関係に思いがけない変化が訪れます。

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「今日の夕食は?」から始まる、義母LINEのフルコース

結婚して間もないころから、Eさんのもとに義母から毎日のようにLINEが届くようになりました。当初は「今日は寒いね」「温かくしてね」「息子はお腹を冷やすとすぐ風邪をひくから注意してあげて」といった気遣いの言葉が中心でしたが、それは長くは続きませんでした。

ほどなくして、「今日の夕食は何を作る予定なの?」という問いかけが日課になり、やがて内容は次第に具体化していきました。

「息子がかわいそうだから、冷凍食品はやめてね」「野菜は無農薬のものを選んでね。スーパーより直売所がおすすめよ」「白砂糖は使わないほうがいいわ。白砂糖は身体を冷やすのよ。甘みをつけるなら三温糖か蜂蜜でね」

ちなみに送り主は、栄養士でも医師でもない、ただの「夫の母親」です。

そして受け取る側は、フルタイム勤務の会社員であるEさんです。帰宅途中にスーパーで買い物をし、いかに簡単に夕飯を作り、食べて片づけ、明日に備えるかを最優先にする日々を送っていました。

もちろん、健康に気を配る姿勢そのものは否定しません。しかし、それが「強制」に変わった瞬間から、善意は圧力へと変わります。

苦笑いする夫、削れていく妻

「また今日もLINEきてるよ」と、夫に見せるたびに返ってくるのは、「へえ、そうなんだ」という、あまりに他人事なリアクション。

「また今日もLINEがきてるよ」と、夫に見せるたびに返ってくるのは、「へえ、そうなんだ」という、あまりに他人事のような反応でした。

次第に義母からのプレッシャーにさらなる追い打ちがかかります。ある日、「今日は新鮮なブリが手に入ったのよ。三枚におろして煮つけたの。出汁も自家製だから美味しいのよ」と、写真付きで自作料理を送ってきたのです。義母の冷蔵庫には、いりこや昆布、鰹節を煮だした出汁が常備されており、味噌も当然自家製です。手作りの昆布締めや漬けマグロのあぶり、家庭菜園で採れた季節の野菜の炊き合わせ——料亭を思わせる品々が画面に並んでいました。

義母は以前、趣味で料理教室にも通っていたようで、初心者には真似できないレベルでした。夫もこの味に親しんで育ち、家族で海釣りに出かけるのも恒例だったそうです。メッセージには「息子(夫のこと)は、釣りたて新鮮な煮魚が一番好きだったのよ」と、まるで「あなたには到底できないでしょう」と言わんばかりの文言が添えられていました。Eさんには、到底真似できることではありません。

夫にとって母親は「昔からそういう人」でしかなく、わざわざ対立するほどの存在ではないのです。しかしEさんは、夕方に鳴る通知音にヒヤリとしながらスマホを開き、深呼吸してからメッセージを読み、時には献立を組み直すこともありました。

「もう少し距離を置きたい」との思いから、返信の回数を減らしたり、絵文字だけで返すことも増やしましたが、義母のLINEは変わらぬペースで届き続けました。

本音は突然に——義母の「誤爆」LINE

ある日、仕事を終えて帰りの電車の中でスマホの通知が光りました。開いてみると、そこには見慣れない義母の文章が並んでいました。

「やっぱりEさん、ダメね。息子のこと大切にしてない。Mちゃん(夫の元カノ)とは大違いだわ」

一瞬、頭が真っ白になりました。Mちゃんとは、かつて夫と長く付き合っていた女性の名前です。明らかに誰か別の相手に送るつもりだったLINE。それが、よりによってEさんに届いてしまったのです。

翌日、義母から慌てたようにLINEが届きました。“誤爆”メッセージはすぐに取り消されていましたが、

「ごめんなさい!昨日は間違えて送ってしまいました!!」
 「本当に失礼なことを言ってしまって……悪気はなかったの」
 「年のせいで操作を間違えちゃっただけなのよ」

明らかにEさんが傷ついたことを前提とした言い訳が、何通も届きました。しかし、それは誤送信がなければ永遠に知ることのなかった、義母の「本音」でした。

Eさんはあえて、義母のメッセージに返信しませんでした。返信をしないことで、自分の怒りを伝えたつもりだったのです。それ以降、義母からのLINEはぴたりと止まりました。

代わりに、「息子経由」の伝言が増えました。

「最近、Eさん(私)体調はどうなのか、母さんが気にしてるみたいだよ」
 「ちゃんと食事してるのかって、母さん心配してるってさ」

直接Eさんには言わず、息子を伝書鳩のように使うスタイルへと変化したのです。

義母LINE、実はよくある悩み?

Eさんが勤め先の同僚に、義母からの誤爆LINEについて話をすると、みんな同じような体験をしていることが分かりました。

「息子の毎朝の体調チェック」「義母手作りの総菜が息子宛てに宅急便で送られてくる」「孫の写真を過剰に求められる」などなど…。一見些細なやりとりも、日常的に続くことで精神的な疲労が積み重なっていくようです。

誤爆LINEの一件以降、義母とのやりとりは最低限に抑えられ、Eさんの生活はぐっと静かになりました。あのLINEで義母の本音に触れることにはなりましたが、それ以上に「日々の静けさ」のほうが、今のEさんには何より価値あるものとなっています。LINEが来なくなった今、誤爆があってよかったと感じる日々です。

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)

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