
連日、気温30度前後の蒸し暑い日々が続いていますね。気温が高いだけならまだしも、モワモワな湿気が相まって不快指数はうなぎ上りです。通勤などで外出すると、水を浴びてさっぱりしたい、と妄想しちゃいます。こんな季節に温泉なんて入りたくないという方もいらっしゃると思いますが、ぬるい温泉なら、湯上りもさっぱりして気持ちが良いものです。
今回ご紹介する温泉は、群馬県にある「幡谷(はたや)温泉 ささの湯」。こちらは、体温に近い不感温度の極上「ぬる湯」を体感でき、特にこの季節におすすめの名湯です。
群馬県北東部の片品村。村の一部が尾瀬国立公園に指定されていることもあり、夏場は都心に比べて5度前後涼しい避暑エリアです。そんな片品村に湧く「幡谷温泉 ささの湯」は、山あいにたたずむ一軒宿です。周囲に温泉街などはなく、山の緑に囲まれた静かな環境の中で過ごすことができます。日帰り入浴と宿泊の他、オートキャンプ場を有しており、河原での気ままなキャンプも楽しむことができます。
お風呂は、男女別の内湯と露天風呂を完備。内湯と露天それぞれに、10人以上が入浴できそうな広々とした湯船があります。また、キャンプ場には漁業用の水槽を活用した、野趣あふれる露天風呂もあります。
湯遣いは、42度で湧く源泉を加水・加温・循環・消毒無しでそのまま掛け流し。そのため、湯船では40度以下の「ぬる湯」になっています。外気の影響を受けやすい露天風呂は、体温ほどの「不感温度」になり、何時間でも入っていられそうな絶妙な心地よさ。夏の日差しで火照った体をやさしく癒やしてくれる極上の湯浴みを体感できます。
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泉質は、水素イオン指数(pH)9弱のアルカリ性単純温泉。無色透明のお湯は、フレッシュさを感じるほのかな甘い硫黄の香りが、さわやかに鼻孔をくすぐります。ツルツルヌルヌルな肌触りで、肩までつかると全身が美容液で包み込まれるような感覚にリラックス。「美肌の湯」ともいわれる泉質のため、湯上りはスベスベ肌を実感。夏のけだるさも洗い流されたような、さっぱりクールダウン感もありました。
食事は、地元食材をメインに使った手作り料理を楽しむことができます。
今回は10人以上の温泉仲間との宿泊だったため、夕食はビュッフェスタイルで提供。山菜のおひたし、尾瀬豆腐、ごぼうチップス、フライドポテト、魚の煮付け、豚キムチ鍋、カルボナーラうどんなど、バラエティー豊かなメニューで、食卓も盛り上がりました。
朝食に登場するマイタケの炊き込みご飯、自家製納豆、マスの包み焼きも絶品で、体にもやさしく、大満足でした。
草津温泉や伊香保温泉、四万温泉など、全国的な知名度を誇る温泉地を有する群馬県ですが、それだけでなく、山あいにポツンとたたずむ一軒宿のような隠れた名湯も点在しています。
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そんな温泉の一つ「幡谷温泉 ささの湯」は、アルカリ性単純温泉の「美肌の湯」をぜいたくな掛け流しで楽しめる温泉です。特に、この季節は不感温度に近い「ぬる湯」が魅力。猛暑の気だるさを「ぬる湯」でさっぱり洗い流す、極上のリフレッシュをぜひ味わってみてくださいね。
【幡谷温泉 ささの湯】
住所 群馬県利根郡片品村幡谷535
電話番号 0278-58-3630
【泉質】
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アルカリ性単純温泉(低張性 アルカリ性 高温泉)/泉温42.1度/pH:8.7/湧出状況:動力/湧出量:265リットル/加水:なし/加温:なし/循環:なし/消毒:なし ◆完全掛け流し
【筆者略歴】
小松 歩(こまつ あゆむ) 東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター★)、温泉入浴指導員、温泉観光実践士。交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床での車中、ヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は2,500以上。好きな温泉は草津温泉、古遠部温泉(青森県)