北陸地方で梅雨明け 平年より早く 梅雨明け後も猛暑と大雨に注意

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2025年07月18日 15:40  日本気象協会

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日本気象協会

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今日7月18日(金)、新潟地方気象台は、「北陸地方が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。昨年より13日早く、平年より5日早い梅雨明けとなりました。今年の梅雨の特徴は、全般に「空梅雨傾向」で、梅雨期間中でも梅雨明けを思わせる夏空が広がった日も多くなった一方、雨が降るときは狭い範囲で集中的に降り、「メリハリ型」の所もありました。梅雨が明けても猛暑と大雨が隣り合わせの両極端な天候となる可能性があります。

北陸地方で梅雨明け

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7月18日(金)、北陸地方で梅雨明けの発表がありました。昨年(7月31日)より13日早く、平年より5日早い梅雨明けとなりました。7月中旬までに梅雨明けするのは2021年以来4年ぶりとなります。

一方、この梅雨明けの発表は「速報値」で、9月初めに夏の天候などを考慮して「確定値」が発表されます。2022年は速報では6月28日に梅雨明けの発表があり、統計開始以来初の6月中の梅雨明けと見られましたが、安定した晴天が長続きせず、8月上旬以降は線状降水帯の発生や局地的な豪雨等、大雨による災害が頻発し、9月1日の確定値の発表では梅雨明けは「特定できず」となりました。

梅雨期間の降水量

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梅雨期間(6月10日〜7月17日)の降水量は、全般に平年より少なく、特に新潟・高田(新潟県)・富山・伏木(富山県)では平年の半分以下となりました。一方、相川(新潟県)や輪島(石川県)・敦賀(福井県)では平年の降水量の8割近くの雨が降っています。

雨の降り方はメリハリ型

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梅雨の期間(6月10日〜7月17日)の降水量が200ミリを超えた輪島の日ごとの降水量を確認すると、6月14日に前線を伴った低気圧が日本海を進んだ影響で日降水量が64.5ミリを記録し、6月22日〜23日は梅雨前線が南下した影響で、24時間最大雨量が100ミリを超える大雨となりました。

一方、梅雨期間の降水量の8割近くがこの3日間に集中し、他の日は降水のない日も目立ちました。特に6月27日以降の日降水量は1ミリ以下となっており、雨の降る日は少ない一方、降れば大雨となる「メリハリ型」の雨の降り方となりました。

空梅雨傾向 梅雨らしくない梅雨

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梅雨の期間(6月10日〜7月17日)の新潟の降水量と日照時間を見ると、6月14日にまとまった雨が降りましたが、6月中旬後半は太平洋高気圧が強まって、梅雨の中休みというよりはまるで梅雨明けしたかのような夏空が広がり、6月17日〜21日は5日連続で日照時間が10時間を超えました。また、22日は最高気温が34.9度に達し、6月としては観測史上2位の高温となりました。この日は金沢や高田などでも猛暑日となるなど、6月とは思えない暑さとなりました。

その後は一時的に梅雨らしい期間がありましたが、西日本が梅雨明けした6月27日以降は再び晴れる日が目立ち、「空梅雨」の傾向が強く出ました。暑さも厳しく、6月30日〜7月7日まで8日連続真夏日、7月14日(月)には今シーズン初の猛暑日となる35.9度、16日(水)にはフェーン現象で36.7度に達するなど、梅雨明け前から猛暑となっています。

梅雨明けの近年の傾向 梅雨明けは遅れる傾向も両極端化?

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データのある1951年から今年までの梅雨明けの経年変化を見ると、1983年頃から年による変動が大きくなり、近年はその変動が大きくなっています。

また、梅雨明けは遅くなる傾向が顕著で、この70年あまりで7日ほど遅くなる傾向が見られます。1980年代前半までは、梅雨明けが8月にずれ込んだ年はありませんでしたが、1987年に梅雨明けが初めて8月となって以降、急増傾向で、2022年などのように梅雨明けの特定できない年も出てきています。

その一方で、2018年は7月9日に梅雨明けするなど、梅雨明けの早い年もあり、全体としては梅雨明けは遅れる年が多くなる一方、早く明ける年との差が大きくなり、「両極端化」の傾向が見られます。

梅雨明け後は猛暑日続出 熱中症に警戒 大雨と隣り合わせも

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この先一週間の北陸地方は、晴れて厳しい暑さが続くでしょう。福井など猛暑日(最高気温が35度以上の日)が1週間続くところもあり、北陸地方には高温に関する気象情報も出ています。熱中症に警戒が必要です。
また、最低気温も25度以上の日が多く、熱帯夜が続きそうです。夜間も熱中症に注意が必要です。就寝時は睡眠の質が落ちないように、無理をせず冷房を使用することをお勧めします。

一方で、21日(月・祝)以降は晴れマークがずらりと並んでいても、山間部を中心に午後のにわか雨や雷雨には注意が必要です。特に24日(木)以降は、太平洋高気圧の勢力がやや弱まり、上空の寒気や暖かく湿った空気が入りやすくなって大気の状態が不安定になりそうで、山間部だけではなく、平地でも局地的なにわか雨や雷雨の可能性があります。

日本海の海面水温は平年よりかなり高くなっており、大量の水蒸気が陸地に流れ込みやすくなっており、局地的な大雨のリスクは高くなっています。また、最新の1か月予報では、猛暑傾向が続くものの、いわゆる安定した晴天は長続きせず、にわか雨や雷雨が多くなる傾向となっています。

いずれにしても、猛暑と大雨が隣り合わせの、ある意味で「近年の夏らしい夏」となりそうで、熱中症に注意しつつ、大雨に対する備えも必要となりそうです。

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