「予想通り」「捜査がずさん」＝検察幹部、当時の対応疑問視―福井事件

　前川彰司さんに再審無罪が言い渡されたことについて、検察幹部からは「予想通り」などと淡々と受け止める声が出た一方、「ずさんだった。信じられない」と事件当時の対応を疑問視する意見もあった。

　ある幹部は、再審開始の決め手の一つとなったテレビ番組の放送日の誤りについて、「なぜ後から分かった時に手を打たなかったのか。ほっておくのはあり得ない」と批判した。その上で「そもそも捜査がずさん。マイナス証拠を軽視し、プラス証拠を過大評価する検察ではいけない」と危機感をあらわにした。

　別の幹部は、再審公判で新たな証拠を提出していないことなどを踏まえ、「予想された判決だった」と説明。「供述の信用性をしっかり見なければいけないのは、昔も今も変わらない」と冷静に話した。