「5月30日(ごみゼロの日)」にお台場の清掃活動でごみ問題を考えてみた

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2025年07月19日 09:10  日刊SPA!

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「ご(5)み(3)ゼロ(0)」にちなんで「ごみゼロの日」と制定されている5月30日、今年も全国各地で清掃活動が行われた。フジサンケイグループではフジテレビ湾岸スタジオ周辺にて、「ごみゼロの日」の清掃活動を実施した(雨天のため6月2日に順延)。
◆◆総排出量は減っているものの深刻化するごみ問題

 環境省によると、令和3年度におけるごみ総排出量は4,095万トンで、私たち1人あたり毎日890グラムのごみを排出しているという。環境意識への高まりから、ごみ総排出量は平成25年度以降、減少傾向が続いている。

 ごみ総排出量は改善傾向にあるが、例えば海洋プラスチックごみによる生態系への影響や食品ロス、不法投棄など、年々深刻化しているごみ問題があることは見過ごせない。

 身近なところでいえば、プラスチックストローが紙ストローに変わったのは「海洋プラスチックごみ問題」がきっかけだった。プラスチックストローは細くて小さくリサイクルされにくいうえ、不法投棄や回収時の取りこぼしによって海洋に流出しやすく、海洋生物に悪影響を与えるため、プラスチックから紙のストローに置き換わってきた。


 また、リサイクルできない廃棄物を埋立て処分するごみの最終処分場の数も減っている。場所の確保や住人の理解などから新設することも難しく、このままでは近い将来に捨てる場所がなくなってしまう可能性も出てきている。

◆◆お台場の綺麗に整備されているように見える植栽に…

 このようなごみ問題をはじめ、地域社会への貢献活動や環境美化の一環として、フジサンケイグループは「フジ・メディア・ホールディングス合同清掃活動」を定期的に実施している。今回、フジテレビ「ごみゼロの日」アンバサダーのサザエさんも参加し、フジサンケイグループ各社・関係協力会社13社、計88人が参加し、70リットルのごみ袋37個分のごみを回収した。

 お台場は公園や遊歩道、商業施設など、街全体がきれいに整備されていて、基本的にごみも少ない印象だ。歩道も植栽も美しく整備されている。しかし、大通り沿いの植栽をじっくり見ると……!?

 ペットボトルや空き缶、コンビニ弁当の容器、カップ麺の容器、さらにはお酒の空き缶など、さまざまなごみのポイ捨てが! 路肩に停めて休憩しているドライバーが窓からポイ捨てしているのか、植栽の間に挟まって、長らく放置されたごみが多数見つかった。これでは自然環境にも非常に悪影響だろう。

 また、公園周辺では、側溝に多くのタバコがポイ捨てされていた。公園内のすぐ近くに喫煙所があるというのに……。

 この喫煙所は周囲の景観と調和のとれた美しくまとまっていて、看板も透明でおしゃれなもの。しかし、初めてお台場を訪れた人は、そこに喫煙所があると気づきにくいのではないだろうか。調和のとれた景観は素晴らしいが、看板は目立つようにしてもいいのでは、と感じた。

 今回気づいたのは、大通り沿いには飲食物のごみが多く、公園近くではタバコのポイ捨てが多かったように、「ごみの種類はエリアによって偏在している」ということ。ごみの種類がわかれば、その対策も打ちやすいだろう。

 ごみ問題への意識・関心を高めるだけでなく、身近な改善点も見えてきた清掃活動。当たり前ではあるが「ポイ捨てをしない」など、一人ひとりができることをやっていくことが、壮大なごみ問題を解決することにもつながるはずだ。

<取材・文・撮影/横山 薫(扶桑社)>

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