ロメロ(中央左)、ソン(中央右)らの去就に注目が集まる [写真]=Getty Images 新シーズンよりトッテナム・ホットスパー(スパーズ)を率いるトーマス・フランク監督が、就任後初会見に臨み、今夏の移籍市場について語った。18日、イギリスメディア『Football London』が伝えた。
今夏に1000万ポンド(約20億円)の違約金を支払ってブレントフォードからフランク監督を引き抜いたスパーズは、今夏の移籍市場でここまで5人を獲得している。昨季に期限付き移籍で加入したオーストリア代表DFケヴィン・ダンソとU−21フランス代表FWマティス・テルが完全移籍に移行したほか、2年前から加入が決まっていた18歳のクロアチア代表DFルカ・ヴシュコヴィッチが合流。そして、移籍金およそ5500万ポンド(約110億円)でガーナ代表FWモハメド・クドゥス、500万ポンドで日本代表DF高井幸大が完全移籍加入した。
さらにスパーズは、ノッティンガム・フォレストからイングランド代表MFモーガン・ギブス・ホワイトの獲得を試みていることが噂されている。メディカルチェック目前とされていたが、選手に対する不法な接触があったとして、フォレストがスパーズとギブス・ホワイトの代理人に警告。法的措置に発展する可能性が取り沙汰されている。
ギブス・ホワイトの状況について質問されたフランク監督は、「私のものではない選手について話すつもりはない。2人の例外がいるが、彼らは年を取っている。それは(クリスティアーノ・)ロナウドと(リオネル・)メッシだ。あとはトッテナムの中にいる選手について話すだけだ」と回答するにとどまった。
一方、新戦力のクドゥスについては、「クラブにとって素晴らしい契約だと思う」と活躍を期待。「ダニエル(・レヴィ会長)、ヴィナイ(・ヴェンカテシャムCEO)、そしてヨハン(・ランゲTD)は、プレシーズンの早い段階から非常に優れた選手を獲得してくれた。彼は試合に予測不可能性を与えてくれると思う。彼の一対一のアクションはトップだと思うし、相手を切り裂くパスもトップクラスだと思う。彼はパフォーマンスだけでなく、次のステップに進むためにもほぼ完璧な年齢だ」と、迅速に即戦力を獲得した上層部への感謝も述べた。
一方、キャプテンの韓国代表FWソン・フンミン、副主将のアルゼンチン代表クリスティアン・ロメロには退団の噂がつきまとう。フランク監督は去就への言及を避けつつ、2選手を重要な戦力にカウントしていることを強調した。
「2人のトップ選手だ。ソニーはここに10年いて、ついにふさわしいトロフィーを手にした。チームにとってもクラブにとっても重要なことだ。ロメロはワールドカップ優勝、ヨーロッパリーグ優勝、コパ・アメリカ優勝の実績を持つ。2人とも、トレーニングピッチでスタンダードを作りながら、いいトレーニングをしてきた」
「私が期待しているのは、選手全員がここにいて、いいトレーニングをしているということだ。私が注目しているのはその点で、彼らには改めて非常に感心している。彼らはスタンダードを設定し、ハードにトレーニングしている。彼らは明日(プレシーズンマッチのレディング戦で)プレーする。前半、後半の45分ずつ、ソンとロメロがキャプテンを務めるだろう。だから私はとても満足している」
今夏はプレミアリーグ全体で移籍市場が活発となっており、特に連覇を目指すリヴァプール、王座奪還を試みるマンチェスター・シティ、3シーズン連続2位のアーセナルらが巨額を費やしている。フランク監督は「もちろん、彼らへの挑戦は難しい。今はその3クラブがほんの少しリードしていると言っていいと思う」と正直に語り、「私は彼らに焦点を当てすぎているのではなく、私たちに焦点を当て、私たちに何ができるかを考えている。もっと近づいて、どんな状況でも戦えるのか? そう考えることは良い第一歩だと思う。どの程度近づいているのか? それには答えない。何試合か戦ってから話そう。私たちはいいチームだと思うし、これから何年もかけてより強いものを作り上げ、もっと近づくことができると確信している」と、時間をかけてチームを構築していくと強調した。