
全国ネットのキー局を舞台に、ローカル局発情報番組の三つ巴の戦いが始まる。
「制作するカンテレは正式発表していませんが、この秋から、『旬感LIVE とれたてっ!』が、フジテレビで全国放送されることになりました」
とスポーツ紙記者。
2023年10月にスタートした段階では、月〜木が1時間番組、金が2時間番組だったが、今年3月から、全日2時間番組に“格上げ”。全国ネット進出への助走は始まっていた。
キー局の体力低下、ローカル局の野望
同時間帯では、日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ制作)が先発し、TBS系『ゴゴスマ』(CBC制作)が次に参入。そしてこの秋、『旬感LIVE とれたてっ!』(カンテレ制作)が加わることになり、視聴率争いがし烈になるが、違う味方を示すのはテレビ局関係者だ。
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「3局とも元々は、キー局制作、もしくはキー局とローカル局共同制作の情報番組が放送されていた時間帯です。それが今では、すべてローカル局の番組が流れることになる。フジテレビも、局制作の情報番組に膨大な予算をかけても見合う視聴率が取れるか心もとない、であればローカル局の番組におんぶに抱っこしようと考えたようです」
ここから見て取れる構図は、キー局の体力低下と、ローカル局の全国区を目指す番組作りへの野望だ。
前出・関係者が続ける。
「フジテレビは“中居トラブル”から発した一連のゴタゴタで、今もまだCMの復調過程にある。自局で新番組を始めれば、多少視聴率が悪くても、テコ入れして、ある程度の期間続けないといけませんが、ローカル局の番組であれば、そこまで背負い込まなくても済む。制作費をかけずに、儲けることができる。気が楽だとは思いますよ」
宮根62歳、石井48歳、青木42歳
前出・スポーツ紙記者は、ローカル局にとってもいいことづくめだと明かす。
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「全国ネットで番組を放送できるわけですから、当然制作社としてのモチベーションは高まる。まして今回の番組の司会者は、元日本テレビアナウンサーの青木源太ですから、ある程度全国に顔も知られている。『ミヤネ屋』と『ゴゴスマ』をかわすことができれば、カンテレの大手柄になりますよ。フジテレビにとってもありがたい。フジテレビとカンテレにとって、起死回生のウィンウィンになる可能性もある」
予算も潤沢で、専属の芸能リポーターや事件リポーターを抱え、中継車を出したり、ヘリを飛ばせていたワイドショーの黄金時代は、もう2度と戻らない。
「芸能人や事件現場を直撃するようなワイドショーカルチャーがありましたが、予算も減らされている今は、作り方がまったく違っている。司会者がいて、スタジオには日替わりのタレントや文化人のコメンテーターが何人かいて、事件や米高騰の流れなど都度扱うコンテンツを巨大なパネルにして見せる、“パネルワイドショー”と呼ぶしかない中身です。とは言え、低予算でちゃんと対応できています。それをキー局で流すのですから、コスパもいいわけですよね」(前出・スポーツ紙記者)
多くのネタを取り扱うわけではなく、話題になっている気象問題や事件、芸能ニュースなどを1イシュー、2イシューで特集する番組構成だけに、司会者のスキルとコメンテーターの反射神経が行く末を左右する。
宮根誠司、62歳。石井亮次、48歳。青木源太、42歳。
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フリーアナウンサー3人による、ローカル発全国ネット番組を舞台にした巴戦。司会者の好感度も視聴率に直結する舞台に、旧ジャニーズアイドル大好きで、甘いマスクが売りの青木が参入することで、令和の情報番組が様変わりすれば、視聴者としては面白い。