今までにないストーリーに大好評。磯村勇人演じるスクールロイヤーが若者の青春に向き合う【僕達はまだその星の校則を知らない#1】

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2025年07月21日 18:10  マイナビウーマン

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今までにないストーリーに大好評。磯村勇人演じるスクールロイヤーが若者の青春に向き合う【僕達はまだその星の校則を知らない#1】

※本コラムは『僕達はまだその星の校則を知らない』第1話までのネタバレを含みます。

■“校則”って必要なものなの?

独特の感性を持つがゆえに人生にも仕事にも臆病だった弁護士・白鳥健治(磯村勇斗)。そんな彼が、少子化による共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー(=いじめ、不登校、保護者対応、学校事故など、学校で発生するさまざまな問題について、法律に基づいた助言や指導を行う弁護士)として派遣されるところから始まる学園ヒューマンドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(以下『ぼくほし』)。

初回放送をリアタイしましたが、とにかくドラマウォッチャーたちの評価が高いのが本作の特徴だなと思いました。「今まで、深く追求されてこなかったことにしっかり向き合い、丁寧に言語化してくれている」という点を、魅力に感じている人が多いです。

そんな第1話のメインテーマは、“制服”について。ちなみに、みなさんが通っていた学校は校則が厳しかったですか? わたしのところは、めちゃくちゃ厳しかった……。

体育会系の学校だったので、メイクはもちろん禁止。色付きリップをつけただけで呼び出しをくらっていました。スカートが短いと「おい、折り目を見せろ!」と言われ、折っていないか確認させられる。髪型も、肩についたら結ばなければいけないし(しかもポニーテールかツインテールかの二択)(さらにポニーテールの高さも決まっている)、横髪を出すのも厳禁でした。

あと、これはいちばん驚かれるのですが、頭髪検査の時に爪の白い部分が2mm以上だと、再検査になるのです……。そんな学生生活を送ってきたので、「好きな服装で学校に行けたらいいのにな〜」と思ったことは、もちろんあります。でも、校則を守るのが“当たり前”だと思っていたので、そこに反発する気はありませんでした。

だから、濱ソラリス高校の生徒たちが、“模擬裁判”を起こしてまで、制服の撤廃を求めたのは、「すごいなぁ」と思いました。ちなみに、濱ソラリス高校は、男子校の濱浦工業高校と、女子校の濱百合女学院が合併したばかり。「百合女伝統のセーラー服が着たくて入ったので、新しい制服は着たくない」という意見が出るのは仕方がないと思うし、学校側も譲歩すべきポイントです。実際に、移行期間として認めているのは偉い。むしろ、移行期間が終わっても、共学化の前に入学した生徒たちには、前の学校の制服の着用を許可するべきだと思います。

でも、大人になっちゃったからかなぁ。「好きな服装で学校に行きたい」と訴える意見に対しては、「だったら、校則が厳しくない学校に入学すればよかったのでは?」と思ってしまいました。だって、すべての高校に制服があるわけじゃない。わたしの周りにも、私服可の高校に通っていた友人がいます。それに、校則を守るのは、悪いことばかりではないと思うんです。社会に出た時に、絶対に役立つ日が来る。また、校則をすり抜けながら、おしゃれを楽しんでいたことも、いつか「青春だったな」と思い返せる日が来るはずなんです。

「本来、髪型や服装は個人の自由で、憲法においての自己決定権や、表現の自由が認められています。他人が、これを侵害することはできません」という生徒に対し、理事長の尾碕美佐雄(稲垣吾郎)は余裕たっぷりで「学校教育法第11条には、教員が生徒に懲戒を加えることができるという規定がある。校則は、懲戒を行使する際の基準として制定できる」と言い返しました。また、「以前、他校でこういった事例があったが、校風を守るために他校よりも厳しい校則を制定することを否定しなかった」とも。

この尾碕という男、かなりの曲者そう。しかも、健治の名前を聞いた時の、「マジかよ」という表情。2人の間に、何があったのかも気になります。健治はまったく覚えていなさそうですが……。

■“ジェンダーレス制服”、変わったのは女子だけ

濱ソラリス高校では、新しい制服を作る際に、“多様性”をアピールするためにスラックスを導入していました。しかし、「ジェンダーレスに!」と言いながら、男子のスカート着用は認められない。「なんでですか?」と生徒に聞かれた教師の山田美郷(平岩紙)は、「びっくり度合いが違うでしょ!」「毛がこういっぱい見えちゃうでしょう!」と的外れな返事をすることしかできませんでした。

また、副校長の三宅夕子(坂井真紀)は、生徒会副会長の斎藤瑞穂(南琴奈)がスラックスを履いてきた時に「あなた、そっちだったの!」と言ってしまったようで……。この学校の教師たち、一体どうなってるんだ! 校則云々よりも先に、まずは教師の指導をしっかりしてほしい!

ちなみに、瑞穂は、三宅が言うように男の子になりたい女の子だったわけじゃない。「スカート寒いし、選択肢が増えたから履いてみよう〜」くらいの気持ちで、履いただけだったんです。それなのに、「勝手に空想されたり、勝手に謝られたりする」のが嫌で、スラックスを履かなくなってしまった。

おそらく、三宅も「自分は多様性を受け入れているから大丈夫よ〜」みたいな感じでラフに声をかけたんだと思います。でも、その“身勝手な理解”が、相手を追い込むこともある。

そんな瑞穂の味方でいるために、生徒会長の鷹野良則(日高由起刀)がスカートを履いて全校集会に出た描写には感動しました。ただ、鷹野が瑞穂を思いやるのは、“恋”ではなく“仲間”だから。このあたりの設定も、凝り固まっていた固定概念をほぐしてくれました。

結局、70パーセントの生徒が「制服のままがいい」と答えたことで、制服の撤廃は認められなかった。でも、何も変わらなかったわけじゃない。ここで起こしたアクションや、一生懸命に考えたこと。そしてみんなで戦った“あの日”が、いつか彼らの心の支えになってくれるはずです。

また、ずっと学校が嫌いだった健治が、ピュアな学生たちに触れて、「僕はまだその星のことを何も知らないのかもしれない。初めて思ったんだ。なんかこう綺麗なものも隠されているのかもしれない」と思うことができたのも良かった。このドラマ、さらに面白くなっていくこと間違いなしです!

ではでは、また次回の放送でお会いしましょう!

(菜本かな)

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