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TBS系連続ドラマ「サインはV」、映画「限りなく透明に近いブルー」などで活躍した女優中山麻理さんが、今月12日に都内の病院で亡くなった。77歳だった。関係者によると、昨年暮れに体調を壊して入院。闘病を続けていたが、最期は3人の息子たちに見守られて息を引き取ったという。通夜、葬儀は既に近親者のみで執り行われた。
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団塊世代の人気を集めた“元祖クールビューティー”中山さんは、1969年(昭44)10月から70年8月にかけて放送されたTBS系連続ドラマ「サインはV」でブレークした。64年東京五輪の女子バレーボール金メダルから続くバレーボールブームの中で、最高世帯視聴率39・3%、平均世帯視聴率32・3%(ビデオリサーチ調べ)の大ヒットドラマで、主人公のライバル役を演じた。
その後続くスポ根ドラマの草分け的作品で、実業団のバレーボールチームを舞台に勝利を目指す選手たちの姿を描いた同作で、中山さんは、岡田可愛(76)演じる主人公朝丘ユミのチームメートでライバルの椿麻里役を務めた。切磋琢磨(せっさたくま)してチームを関東選手権優勝に導いたが、椿はユミと勝負するために宿敵のチームに移籍する。けなげな岡田に対して、クールな美貌とグラマラスなボディーで男性を中心に人気を集めた。
79年には作家村上龍氏(73)が自身の芥川賞受賞作を監督した、映画「限りなく透明に近いブルー」でヒロインを演じ、主演デビュー作だった三田村邦彦(71)と共演。翌80年に三田村と結婚式を挙げた。中山さんは結婚と同時に引退して、3人の息子に恵まれた。長男は俳優三田村瞬(44)、三男は俳優中山麻聖(36)として活躍している。また、兄の歌手で俳優のマイケル中山(79)の娘は女優の中山エミリ(46)と英玲奈(42)。華麗なる芸能一族の一員でもあった。
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99年に三田村と離婚後は、女優に復帰。女手ひとつで3人の息子を育て上げた。末っ子の麻聖が20歳になった時には「母親卒業宣言」をした。以降は女優業のかたわら、1人で海外旅行に出かけるなど“おひとり様”を満喫していたという。
麻聖のドラマや映画、活躍を報じる記事を何よりも楽しみにしていた中山さん。唯一、関係者に愚痴をこぼしていたのが麻聖の記事で「元女優中山麻理」と書かれることだったという。最後まで女優として生き抜いた美しい人生だった。
◆中山麻理(なかやま・まり)1948年(昭23)2月1日、東京・世田谷生まれ。祖父は英国人。順心女学園(現・広尾学園)卒業後の66年に東宝演芸部入り。67年に舞台「不信のとき」で女優デビュー。68年に映画「兄貴の恋人」でエランドール新人賞を受賞。74年日本テレビ系「傷だらけの天使」、04年(平16)映画「IZO」、18年ミュージカル「アルプスの少女ハイジ」など出演多数。160センチ。血液型O。
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