2025年KYOJO CUP第2戦 翁長実希(Kids com KDDP KC-MG01) 2025年KYOJO CUPの第2戦が7月18〜20日に富士スピードウェイで開催され、斎藤愛未(BigBoss W TOM’S KYOJO with AIWIN KC-MG01)がスプリントレース、翁長実希(Kids com KDDP KC-MG01)がファイナルレースを制し、それぞれ今季初優勝を飾った。
女性ドライバー限定のフォーミュラカテゴリーとして注目を集めるKYOJO CUP。好天に恵まれた第2戦は、全日本スーパーフォーミュラ選手権との2度目の併催大会となり、開幕戦を上回る熱気が会場に満ち溢れるなか、幕を開けた。
■スプリントは斎藤が完勝。グリッド降格の翁長は2位まで挽回
19日(土)の8時から行われた公式予選では、第2戦の専有走行を総合トップで終えた斎藤が序盤のトップに立つ。セッション後半を迎えると翁長がトップタイムを更新し、このまま予選が終わるかに思われた。
しかし斎藤がラストアタックで1分45秒343を叩き出し、翁長のタイムを0.115秒上回る走りを披露。この結果、前年王者であり、昨年のスーパーフォーミュラ併催大会を制した斎藤がスプリントレースのポールポジションを獲得した。
10周のスプリントレースは公式予選終了後の10時45分から行われた。ローリングスタートが切られると、開幕戦を完勝した2番グリッドの下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)が斎藤に仕掛け、まずトップに浮上する。
その後方では、予選で2番手タイムを記録するも複数回の総路外走行で3グリッド降格ペナルティを受けた翁長が、白石いつも(AIWIN Re-Kobe KC-MG01)をパスする。さらに翁長は2周目にバートン・ハナ(BigBoss W TOM'S KYOJO KC-MG01)もかわし、5番手から3番手にポジションをあげた。
トップ争いは、2番手に後退した斎藤がトップの下野に積極的にバトルを挑み、4周目のホームストレートで首位奪還に成功。すると、トップ2台がバトルを繰り広げる間に後続の翁長とバートンが追いつき、5周目には下野をかわした翁長が斎藤の背後、2番手に浮上してくる。
その後も接戦の上位争いが繰り広げられるなか、4番手のバートンがブレーキをロックさせた模様で、3番手の下野に接触。ダメージの少ない下野はそのまま走行を続けたが、フロントウイングを破損したバートンはピットに戻り、ここでレースを終えた。
レース終盤、トップの斎藤は2番手に浮上してきた翁長にギャップを縮められたが、ペースをコントロールして翁長の接近を阻む。最終的に斎藤は翁長に対して約1.3秒差を築いてトップチェッカー、今季初優勝を飾った。2位に翁長、3位に下野が続いている。
ポールポジション、ファステストラップ、優勝の“ハットトリック”でスプリントレースを制した斎藤だが「勝てたことは嬉しいですが、明日もあるのであまり喜びすぎないようにしています」と控えめなコメント。
「レース後半に自信があったので、スタートで抜かれても落ち着いていけば大丈夫だと思っていました。トラクションのかかりも良く、タイムも最後まで落ちなかったので、その点は良かったと思います」
■ファイナルは翁長が逆転優勝。最後尾スタートのバートンは12台抜き
スプリントレースの結果がスターティンググリッドとなる12周のファイナルレースは20日(日)の13時10分からレースがスタート。ローリングスタートではポールポジションの斎藤が好ダッシュを決めて後続を引き離しにかかる。
1周目のダンロップコーナーでは、山本龍(ARF☆おさきにどうぞ☆KC-MG01)がスピンを喫すると、山本の後ろを走行していた天谷伶奈(TODOROKI KDDP KC-MG01)とケルシー・ピンコウスキー(SatisPie KDDP KC-MG01)が接触して複数のマシンがストップ。3台は自力で走行を再開したが、このアクシデントで早くもセーフティカー(SC)が導入された。
レースは4周目にリスタートすると、SC導入で間合いを縮めた2番手の翁長がターン1のTGRコーナーで斎藤を仕留める。斎藤は続くコカ・コーラコーナーで首位奪還を試みるが、ここは翁長がトップの座を守る。
レース後半を迎えると、最後尾スタートから10番手までポジションを上げていたバートンが8周目に佐々木藍咲(LHG KDDP KC-MG01)を攻略して9番手に。10周目には池島実紅(TGM Grand Prix KC-MG01)をオーバーテイクし、バートンが入賞圏内の8番手に浮上した。
隊列先頭では、昨年も王者を争った翁長と斎藤が後続を大きく引き離すペースで周回を重ね、首位争いを展開。一時は約0.4秒差まで斎藤が迫るもオーバーテイクは叶わず、翁長が逆転トップチェッカーで今季初優勝を飾った。2位に斎藤、3位に下野が続き、12台抜きを果たしたバートンは8位でレースを終えている。
自力での優勝は2024年の開幕戦以来となる翁長は「長い12周でした」とレースを振り返った。
「気を抜いたらすぐに追いつかれてしまう位置に斎藤選手がいたので、プレッシャーとの戦いでした。後半は手足が石のように硬くなったりもしましたが、 VITA-01でのレースから数えると自力での優勝は久しぶりで、待ちに待った優勝だったので本当に嬉しいです」
次戦となる2025年KYOJO CUP第3戦は、8月15〜17日にインタープロトシリーズとの併催で開催される予定だ。
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[オートスポーツweb 2025年07月22日]