首相官邸に入る石破茂首相=22日、東京・永田町 石破茂首相(自民党総裁)が参院選で大敗しながら続投を宣言したことを受け、複数の党県連は22日、首相に早期退陣を要求した。昨年10月の衆院選、先月の東京都議選に続く大型選挙3連敗で党内の危機感は強まっている。地方組織による退陣圧力は今後も続く可能性がある。
栃木県連は22日、首相と森山裕幹事長への退任要請を決定したと文書で発表。木村好文幹事長(県議)はコメントで「党の存続に関わる由々しき事態だ。その責任を明らかにすることを求める」と訴えた。同県連会長は、首相と距離を置く茂木敏充前幹事長が務めている。
茨城県連は会合を開き、首相退陣を党本部に申し入れると決めた。海野透会長(県議)は記者団に「スリーアウトでチェンジだ。首相と森山氏は往生際が悪い」と批判。首相が続投の理由として日米関税交渉を挙げていることを踏まえ、「スムーズに進むはずがない。人心を一新して再スタートした方がいい」と語った。
愛媛県連は「国民の厳しい審判を真摯(しんし)に受け止め、現体制の刷新を強く求めたい」とする幹事長声明を発表。山梨県連の青年部・青年局は首相ら執行部の刷新を要求する文書を党本部に送った。
21日には高知県連が緊急役員会で、早期退陣を申し入れると決めた。さらに三重県連と神奈川県連は執行部が何らかの責任を取るよう求めることを調整している。神奈川県連の会長は小泉進次郎農林水産相で、首相に近い菅義偉副総裁も所属している。