「ただ参加するだけでは意味がない」耐久レースへの関心を持ち続けるベッテル。参戦には意思が必要だと語る

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2025年07月22日 18:00  AUTOSPORT web

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2024年F1エミリア・ロマーニャGP イモラ・サーキットを訪れたセバスチャン・ベッテル
 セバスチャン・ベッテルは、F1での自身の時代は正式に終わったと述べたが、4度のF1世界チャンピオンである彼は耐久レースへの見方が変わったことや現在も関心を持ち続けていることを明かした。

 ベッテルの名は、2010年代初頭にレッドブルがF1を席巻した最初の時代の代名詞となっている。このドイツ人ドライバーの輝かしい功績には、レッドブルとともに飾った53回のグランプリ優勝と、2010年から2013年に4年連続で獲得した世界タイトルが含まれている。F1キャリア終盤には、フェラーリでさらに14回のレース優勝を果たしたが、38歳の彼はグランプリドライバーとしての日々は終わったことを認めている。

「F1は終わった」と、ベッテルは最近『Auto Motor und Sport』に語った。

「ある時点で、この分野を他の人に譲るべき時が来るものだ」

 ベッテルは、グリッドにいる才能ある若い世代へとF1が移行しつつあることを認めた。

「ルーキーたちにもそのことが見られる。多くのドライバーが交代したのはよいことだと思う」

「年長者に反対しているのではなく、若い人たちを支持しているんだ。昔は、有名ドライバーの誰が走らなくなったかなんて気にしていなかった。最も重要なことは、自分がドライブすることを許可されたことだった」


■耐久レースへの考えが変化

 ベッテルのF1での章は終わったが、レースに対する彼の情熱は今も薄れていない。スポーツから引退して以来、彼が出場した唯一のレースはレース・オブ・チャンピオンズだった。

 しかし彼の将来を巡っては、WEC世界耐久選手権、なかでも象徴的なル・マン24時間レースにポルシェから参戦する可能性について、頻繁にうわさが流されてきた。昨年、ベッテルはモーターランド・アラゴンでポルシェのテストを行ったが、話し合いは行われたものの、具体的なことは何も実現していない。だが38歳のベッテルは、WECでレースをするという考えに間違いなく前向きだ。

「何かが起こる可能性を排除したくない。話し合いはあったが、どういうわけかまだ実現していない」とベッテルは語った。

 彼の長距離レースに対する姿勢は、F1時代から大きく進化した。

「正直に言うと、昔はひとりだけの戦いという見方をしていて、耐久レースにそれほど興味がなかった」

「今では見方が変わった。チーム体制や、クルマを共有し、歩み寄っていくことは、本当にエキサイティングだと思う」

 ベッテルにとってWECが特に魅力的である理由は、1シーズンあたり8レースという、よりコンパクトなスケジュールだ。これはF1のますます過酷になるスケジュールとは対照的だ。

「WECは8レースなので実際はぴったりだ。F1とは構成も違っているしね」

 しかし、レースへの復帰を視野に入れながらも、ベッテルはいかなる動きも意義と競争力を持つ必要があり、象徴的なものであってはならないと主張している。

「何かをどれだけ熱心にやりたいかが、常に問題だ。僕にとって、何かに参加するときは、それをうまくやり遂げたいという思いが常にある。ただ参加するだけでは、僕にとってはなんの意味もない」

 ベッテルの今後の動向は、注目を集めるだろう。ファンたちは、とりわけF1で最も実績のあるチャンピオンのひとりが、世界のモータースポーツで新たな挑戦を始めるのを見たいと熱望している。

[オートスポーツweb 2025年07月22日]

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