公安調査庁は22日、オウム真理教の後継団体「アレフ」が資産報告義務に従っていないなどとして、団体規制法に基づく再発防止処分の継続を公安審査委員会に請求した。教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚(執行時63歳)の次男が、宗教的指導者を意味する「グル」を自称し、アレフの意思決定に関与して組織運営を主導していると初めて認定した。
公安庁によると、松本元死刑囚は1995年の逮捕後、次男を後継者に指名した。次男は2014年ごろには意思決定に関与し、遅くとも17年ごろには運営を主導して2代目グルを自称。祭祀(さいし)も執り行っていたとした。松本元死刑囚の妻もアレフの役職員で、次男を後見的に補佐する立場にあるという。
公安庁は25年3月26日、次男と妻の居住地とされる埼玉県越谷市のマンションを立ち入り検査しようとしたが、協力を得られなかったため、県警に告発した。捜査関係者によると、県警が4月に家宅捜索し、現金数千万円が発見された。
アレフには00年以降、団体規制法に基づく観察処分が適用され、3カ月ごとに団体の構成員や資産状況を報告する義務を負っている。だが適切な報告を怠っているとして、23年から団体の活動が大幅に制約される再発防止処分を受けている。
再発防止処分は半年ごとに更新され、現在は全国16施設の使用を制限し、布施など金品の受領を禁じている。公安庁は今回の請求で、使用を制限している施設がある12都道府県で土地・建物の取得や借り受けを禁じることも新たに求めた。
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5回目となる現在の処分は9月20日まで。公安審が今後、アレフ側の意見を聴く場を設けた上で請求を認めるか判断する。【三上健太郎】
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