現役最後の鈴鹿8耐に挑む生形秀之が参戦記念パーティーを開催。静岡市長へ表敬訪問も

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2025年07月22日 23:00  AUTOSPORT web

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チーム主要メンバー
 今シーズンをもって現役引退を発表した生形秀之が率いるエスパルスドリームレーシングが7月17日(木)に鈴鹿8耐参戦記念パーティーをホテルアソシア静岡で開催。翌18日(金)には、静岡市長へ表敬訪問し、鈴鹿8耐への意気込みを語った。

 エスパルスドリームレーシングとしては、今年で6度目の挑戦となる鈴鹿8耐。2018年、2022年と2度4位に入賞し、プライベーターながらあと一歩で表彰台という好成績を収めている。2025年のライダーは、生形を筆頭に、何でも器用に乗りこなす濱原颯道、MotoGPで活躍し現在はKTM MotoGPのテストライダーを務めるドイツ出身のジョナス・フォルガーを招集し強力な布陣となった。

「皆さまのご支援のおかげで鈴鹿8耐に参戦できることを感謝申し上げます。目標は表彰台に上がることですが簡単なことではないのはわかっています。ただ、最後まで妥協せず、今考え得る最強のチーム体制を整えることができました。しっかり準備をして表彰台獲得に向けてチャレンジしていきますので、応援よろしくお願いいたします」と生形。

 濱原は「昨年の鈴鹿8耐でチームスズキCNチャレンジで生形さんと組ませていただきました。今年は、5月頃までは、また喋る仕事をしようと思っていましたが、生形さんには“何かあれば手伝いますよ”と連絡していました。6月入ってスペインに行っている時に“鈴鹿8耐テストに来れる?”と連絡をいただきました。成田空港から、そのまま直行すればギリギリ間に合うスケジュールで、その時はオーディションでした。翌週に2回目のテストがあったのですが“次のテストに来てくれないか”と。2回目のテストが終わった時に“ライダーとしてお願いしたい”と言っていただきました。この楽しいバイク、楽しい環境が続くと思うと、すごくうれしかったですね。今回は第3ライダーだからこその仕事ができたらいいなと思っています」とコメントした。

 そしてフォルガーはパーティーに出席できなかったが、ビデオメッセージが流された。「チームの皆さん、パートナーの皆さん、私は日本に行くことが待ちきれないよ、とても楽しみにしているよ。鈴鹿8耐は、僕にとって特別な週末になるだろう。みんなで力を合わせて素晴らしいレースになるようにしたいね」とフォルガー。

 生形を長年支えて来たメンバーも登壇した。まずは、監督を務める岡本章弘氏(株式会社ワースワイル)は「2012年から4年間、エスパルスドリームレーシングの監督を務めました。今年が最後ということなので10年ぶりに監督に就任しました。監督を引退してからもサポートを続けています。MFD清水店の3階はいつの間にか生形のワークショップとなりましたが、今年で終わりということなので“来年は出ていってくれるのだろうな?”と聞いたら“いやいやまだまだやりますよ”と。レース業界には残るようなので、今年の鈴鹿8耐はエスパルスドリームレーシングの表彰台、オートバイを買うならMFDと言う形で、皆さんよろしくお願いします」と語った。

 チーフメカニックとして支え、テクニカルディレクターに就任した松本圭司氏は「生形君と1番頑張ったのが、全日本J-GP2クラスでの6年間でした。鈴鹿8耐は、表彰台一歩手前まで行けました。今年はあきらめの悪い生形の最後に付き合うことになりました。今回のメカニックたちもMFD清水店でピット練習し上位チームと遜色のないタイムでタイヤ交換もできるようになりました。予選順位とかではなく、決勝日の最後のリザルトのどこに載っているのか? 一番大事なのは結果です。ゴールの19:30にチェッカーを受けた時に『よくやった』と言ってもらえるようにチーム全力で頑張ります」とコメントした。

 また、長年スズキで活躍し、2022年、2023年とエスパルスドリームレーシングの監督を務めた鴨宮保雄氏は、チームディレクターを担当する。「2年間、監督をやらせてもらいましたが、2024年は、生形君がスズキCNチャレンジにライダーとして参加したので、私は家で飲みながら鈴鹿8耐をテレビで見ていました。この業界に入ってから初めての体験でした。ある意味楽しかったのですが、実は非常に寂しかった。また生形君たちと戦えることをうれしく思います」と語った。

 また今回のパーティーでは関係者が集まったこともあり、2023年3月のテストでの転倒による大怪我の話題となった。このとき生形は、骨盤と肋骨を6本骨折、大量出血の恐れもありドクターヘリで運ばれたが、関係者が連携し“生形の怪我を治せる医者は日本に一人しか居ない”と最善の医療体制へとつながったという。そのとき生形の治療に尽力した医療法人社団R&Oの鈴木延幸理事長もステージに上がり「再起不能とまで言われながら、レースに出てくるということは、相当鈍いのか? 精神力が強いのか? 今年が最後と聞き、非常に残念ですが皆さんとサポートし、優勝して報告会をしていただきたい」と激励した。

 最後に株式会社小林製作所・前社長の小林俊雄氏は「チームを作ることは会社も同じで、人・物・金と言いますが、彼は全部をまとめられる人間だと思います。人を集める力、物はスズキのバイク、そしてお金。彼は経営者としてもやっていける魅力があります。ワークスチームが居る中で、プライベーターで最高4位は、すごいと思います。大けがを負い心配していましたが、松葉杖で出てきました。その根性もすごいですし、面白い人間だと思います。最後の挑戦だと言っていますが、最後にふさわしい結果を出してほしいですね。すばらしいドラマを期待しています」と背中を押した。

 最後に集合写真を撮り、鈴鹿8耐本番に向けて気合いを入れていた。

 パーティーの翌日には、静岡市長を表敬訪問。チームTシャツを贈り、今年の参戦の意気込みを熱く伝えた。

「言わずと知れた世界レベルの耐久レースに2年ぶりの参戦ということで、いよいよファンの皆様からの表彰台獲得の期待も高まっているところですし、私もとても楽しみにしています。そして、生形さんは現役ライダーとしてのラストイヤーを迎えられるとお聞きしました。生形さんの走りやチャレンジには、私だけではなく多くの市民が感動いただいてきました、幾度も大けがを乗り越え、これまで静岡の名を背負って挑戦を続けてこられましたことに、心からの敬意と感謝を申し上げます。素晴らしいレースとなることを心よりお祈り申し上げます」と難波喬司市長。

 地元静岡を愛し、多くの賛同を得て静岡の企業の応援を受けて走り続けてきた生形。レーシングライダーとしては最後の鈴鹿8耐となるが、生形自身は「最後だからと意識せず全力を尽くすだけ」とチームオーナーとして、ライダーとして集中している。8月3日(日)19時30分過ぎに#95 エスパルスドリームレーシングが、どのポジションでゴールできるのか!?

[オートスポーツweb 2025年07月22日]

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