docomo business ROOKIE石浦宏明監督「毎戦自信をもって戦えるように」盟友大嶋和也との残り5レースに意気込み

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2025年07月23日 13:00  AUTOSPORT web

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docomo business ROOKIEの石浦宏明監督 2025スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士
 7月19日(土)、静岡県の富士スピードウェイで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝レース後、第6戦でスーパーフォーミュラ/フォーミュラ・ニッポンの参戦100戦を迎えた大嶋和也(docomo business ROOKIE)が記念の記者会見のなかで、100戦を振り返るとともに、2025年限りでのスーパーフォーミュラからの引退を涙ながらに発表した。長年ドライバーとしてともに戦い、2023年からdocomo business ROOKIEのチーム監督として大嶋に寄り添ってきた石浦宏明は、大嶋との残りのレースに向けて意気込んだ。

 1981年生まれの石浦は、1987年生まれの大嶋とは年齢差はあるが石浦の四輪へのステップアップも遅かったこともあり、フォーミュラトヨタ、全日本F3をともに戦ったほか、2007年にはコンビを組んでスーパーGT GT300クラスのチャンピオンを獲得。また2009〜10年にはGT500でもコンビを組み優勝も飾っている。

 フォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラでもともに戦い続けた仲だが、二度のチャンピオンを獲得した石浦は2020年限りでスーパーフォーミュラのシートを下りると、2023年からdocomo business ROOKIEの監督として大嶋を支え続けてきた。監督として、誰より大嶋のスピードを信じていたのが石浦だった。

「大嶋の場合、TOM’Sでデビューして良い状態で乗っていましたし、Team LeMansの時も良いときがありましたが、その後は実力が出し切れない、出せない状況でレースに出なきゃいけない時期が長かったですよね」と石浦はそのキャリアを振り返った。

 大嶋に気持ち良くレースをさせてあげたい、その速さをしっかり発揮したい……という思いのもと、豊田章男ROOKIE Racingオーナーが「7割がモータースポーツの経験がないような新参者のチーム」と振り返ったdocomo business ROOKIEは初代の片岡龍也監督が作り上げたベースをもとに、石浦監督が率いポテンシャルを上げてきた。今季は予選Q2進出もしっかり争えるポテンシャルがあり、コンスタントにポイントを獲得。6位という結果を残した第6戦は、今季いちばんのレース内容でもあった。

「今回の第6戦は、僕たちが目指してきたレースでもあるので、そんなレースの日にああいう会見があったのは、運命的なものを感じます。『遅くなったからやめるわけじゃない』というのがみんなに伝わったと思うので、それがいちばんじゃないでしょうか」と記者会見をメディアのうしろで聞いていた石浦は語った。

「昨年から(フォーミュラ引退の)相談はしていました。大嶋選手の言葉にもありましたが、昨年引退するという話もありました」

 会見では、大嶋はふだんの飄々とした雰囲気が嘘のように大粒の涙を流した。「辛かった時期が長かったですし、辛いエピソードも知っている人は、やはりみんな泣いていましたよね。やはり辛いことがあればあるほど、涙に繋がるということは自分も分かっていますので」と石浦は監督として、友人としてその気持ちを推し量った。

“監督とドライバー”としてレースに臨むことができるのはあと5戦。超僅差の争いで、1台体制であることはそれだけで不利でもある状況だが、その中でも石浦監督は「もちろん結果が残ればいちばん良いですが、今週のようにまわりのチームが『ニュータイヤ履いたの? ユーズドなの?』『メチャクチャ速いじゃん!』と聞きに来るようなレースにぜんぶできれば良いと思いますね」と残り5戦に向けて意気込んだ。

「毎戦自信をもって戦えるような、表彰台を狙える状態で残りのレースを全部戦いたいです」

 豊田章男オーナーは大嶋が「表彰台に乗るシーンが観たい」と期待をかける。石浦監督が言うように、大嶋が自信をもってドライブでき、レースを戦うことができれば、その先にオーナーの望む景色が見えてくるはずだ。

[オートスポーツweb 2025年07月23日]

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