“2段階BoP”に悪影響を受けたと主張。アルピーヌA424、空力刷新を検討

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2025年07月23日 14:50  AUTOSPORT web

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アルピーヌ・エンデュランス・チームの36号車アルピーヌA424 2025ル・マン24時間
 アルピーヌのモータースポーツ担当副社長、ブルーノ・ファミンによると、同社は現行LMDh車両『アルピーヌA424』の空力性能を大幅に改良する計画を進めているという。ファミンは、WEC世界耐久選手権に昨年途中から導入された2段階のバランス・オブ・パフォーマンス(BoP。性能調整)システムが、マシンの低ドラッグコンセプトに悪影響を与えたと説明した。

 アルピーヌは現在、オレカ製シャーシをベースとするA424で2年目のシーズンを迎えており、イモラとスパ・フランコルシャンで表彰台を獲得している。

 シーズン開幕時には、同社初のEvoジョーカーを使用し、同マシンのターボチャージャー付きV6エンジンをアップデートしたと発表しているが、ファミンはアルピーヌが「もちろんA424のさらなるアップデートに取り組んでいる」と述べ、空力性能の改良はその計画の重要な部分を占めていると語った。


■BoPシステム変更で長所を削がれる

 ファミンによると、アルピーヌは当初、低ダウンフォースと高い最高速度を基本としたエアロコンセプトとしてこれらの変更を検討していたが、昨年のル・マン24時間レースでデビューした2段階BoPシステムの影響を受けたという。

 このシステムは、250km/hを超える速度域で車両の最高出力を変化させることで、フィールドの均衡をさらに図ることを目的として設計されたが、このシステムによってA424の直線速度の優位性が損なわれてしまったとファミンは語った。

「我々は極めて低ドラッグ、低ダウンフォースとなるように車両を設計した」とファミンは述べている。

「すべての車両がパフォーマンスウインドウ内に入らなければならない。パフォーマンスウインドウとは(グラフ上での)ひとつのエリアであり、ひとつの(グラフ上の)隅か、また異なる隅の内側に入っていればよいことになる」

「そこで我々は低ドラッグ、低ダウンフォースの隅を選択した。もちろん、シーズンのメインターゲットはル・マンだからだ」

「このようにしてマシンのホモロゲーションを取得したわけだが、その後、(シリーズは)2段階式の仕組みを導入して、全車の最高速度を均一化するという話になった」

「つまり、低ダウンフォースを補う我々のマシンのアドバンテージは、優れた最高速度だった。だが、今はダウンフォースが低いままだまが、最高速度も出ていない状況にある」

 ファミンは、アルピーヌが年末にアメリカ・ノースカロライナ州のウィンドシア社の風洞に空力アップデートを持ち込み、3月下旬にカタールで開幕する2026年WECシーズン前に導入する計画を明らかにした。

「計画を立て、それがうまく機能することを確認する必要がある」とファミンは述べた。

「ホモロゲーションを取得し、それから導入を開始する必要がある」

 ファミンはさらに、アルピーヌがパリ近郊のヴィリー=シャティヨンにある拠点でWECエンジンプログラムを完全に自社管理するようになったことを確認した。これは、フランスのメーカーであるアルピーヌが今シーズン末でF1エンジンプログラムを終了する予定であることと重なる。

 この過程で、アルピーヌは事実上メカクロームからエンジン製造と開発を引き継いだが、メカクロームは引き続き「コンポーネントサプライヤー」として関与しているという。

「数週間前の年央から、すべてはヴィリー=シャティヨンにある当社の工場で行われている」とファミンは述べた。

「エンジンの製造、そしてすべての小さな開発におけるダイナモテストは、ホモロゲーション済みなので大幅な変更はできないが、主に信頼性に関する作業を行っている」

「このようなエンジンには常に信頼性に関する作業が伴う。以前はこのプロジェクトの主要サプライヤーの一つであったメカクロームが担当していたが、現在はすべてヴィリーで行われているのだ」

「メカクロームはコンポーネントサプライヤーであり続けるため、引き続き関与している。でも、確かに以前よりは(関与の度合いは)ずっと少なくなっている」

[オートスポーツweb 2025年07月23日]

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