2025年F1第11戦オーストリアGP ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー) F1のルーキーであるガブリエル・ボルトレートは、今シーズンの初めにキック・ザウバーからグランプリデビューを果たして以来、コース内外で印象を残している。このブラジル人ドライバーは、そのスピード、一貫性、技術的なフィードバックでチームを感心させているが、ボルトレートの才能を最もよく表すバロメーターは、F1で最も成功しているドライバーのうちのふたりが、彼が今後さらに大きなことを成し遂げる運命にあると考えていることを公にしているという事実だろう。
ドライバーは常に他のドライバーの才能を判断する最良のジャッジだ。なぜなら彼らは同じコースを走り、高度に訓練された目でライバルが与えられた資質で何をしているか見ることができるからだ。そのため、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、ブラジル人ルーキーのことを進んで認めているということは、ふたりが彼の能力を大いに信頼していることを示している。
アロンソとのつながりはよく知られているが、それは両者にとってビジネスの機会として始まった。グランプリキャリアの終わりが近づいていることを自覚しているアロンソは、数年前に自身のマネジメント会社『A14マネジメント』を設立し、現在レッドブルの支援を受けてFIA F2に参戦しているジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング)やFIA F3のトップドライバーであるニコラ・ツォロフ(カンポス・レーシング)といったドライバーたちをかなり長期間サポートしてきた。
2023年の終わりが近づく頃、ボルトレートはF3のタイトル獲得に向かっているように見えたものの、F2への移行を支援してくれるスポンサーはいなかった。そのときアロンソの代理人がこのブラジル人ドライバーに接触し、最終的に彼を2度の世界チャンピオンが所有するマネジメント会社の一員とすることで合意した。アロンソのスタッフは専門知識を活かして、ボルトレートがMPモータースポーツでF2に昇格しタイトルを獲得するために必要な支援を取りつけた。その後、彼らはブラジルからスポンサー契約も獲得し、ボルトレートがキック・ザウバーのシートを得るにあたって尽力した。
アロンソが、特にボルトレートが行わなければならないコース外での作業においてF1に慣れるのを手助けしてきたのは明らかだ。しかしボルトレートは、フェルスタッペンが現在最も親しいドライバーであることを明かした。彼らの関係は、バーチャルレースで互いに競い合った時から始まった。
ボルトレートは、次のように明かした。
「F3シーズンの初めの頃からマックスとよく話をするようになった。僕たちは一緒にたくさんのビデオゲームやシムレースをするようになった」
「僕たちはとてもよい関係を築いているし、彼は僕のことをよく助けてくれる。彼は、僕がF1に進出するまで、たくさんのヒントやアドバイスをくれたし、僕についてF1パドックの人たちとたくさん話し合って助けてくれた」
その良好な関係は、多くの予選セッションやレースの終わりに見受けられる。テレビの取材コーナーで会うと、フェルスタッペンはボルトレートにパフォーマンスや結果について質問し、メディア対応を終える前に、必然的にともに数分間を過ごして、自分たちのセッションについて話し合う。ボルトレートはこのような素晴らしいコネクションのおかげで、すでにトップドライバーたちから彼らの一員として受け入れられている。それは彼の将来のキャリアにプラスに働くに違いない。
[オートスポーツweb 2025年07月23日]