2025年F1第12戦イギリスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル) インディアナポリス500で2度の優勝経験を持つアリー・ルイエンダイクは、同じオランダ人で4度のF1世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、NTTインディカー・シリーズで彼のスキルを試すのを見てみたいと語った。
インディ500で2度の優勝を飾ったほか、セブリングとデイトナでのスポーツカーによる優勝も含む輝かしい経歴を持つ71歳のルイエンダイクは、『The RACER Channel』とのインタビューのなかで、フェルスタッペンの冷静さ、知性、そしてレース技術を称賛した。彼はフェルスタッペンのスキルについて、本人が興味さえあれば、オーバルレースにも見事に活かせるだろうと考えている。
■フェルスタッペンは「マルチタスクをこなせるタイプ」
ルイエンダイクは、ブラジルで雨のなかレースを走っていたフェルスタッペンを見たときのことを詳しく明かし、フェルスタッペンとライバルたちの無線通信の違いに強い印象を受けたことを語った。
「Netflixでブラジルのレースを見ていたら、無線通信が流れた。そして、無線でのランド(・ノリス/マクラーレン)の声を聞き、それからマックスの声を聞くと、まるで12歳のランドと30歳のベテランのマックスを聞いているかのようだった」
「とても冷静で、計算高い。たとえば、『ああ、この天気ならあと5分は持ちこたえられる』などと言っている一方、ランドは『ああ、僕たちはみんな死んでしまう』というような感じだった」
ルイエンダイクにとって、プレッシャーの下でも冷静さを保ち、電光石火の速さで情報を処理できるフェルスタッペンの能力こそが、彼を際立たせている点だという。
「彼は同時にたくさんのことができる。マルチタスクをこなすタイプの人物だ。そしてそれは彼が子どもの頃に出ていたゴーカートのレースから生まれたものだと思う」
「シムレースも彼にとって大きな助けになっている。たとえば、彼はランドの後ろを走っていたのだが、イエローフラッグが出た時にランドが十分に減速しなかったと言い、ランドはそれが原因でペナルティを受けた。彼はただそれを、全体像を、1ナノ秒で理解していた」
「そう、彼は素晴らしい才能の持ち主だ。それに加えて、彼は素晴らしい人物だ。私にとってはそうだ」
フェルスタッペンのモータースポーツに対する幅広い情熱について議論しながら、ルイエンダイクは、同胞のフェルスタッペンはおそらくNASCARとインディカーをファンとして追いかけていると推測し、さらに一歩踏み込んで「彼がインディカーで走る姿を見てみたい」と語った。
こうした動きはモータースポーツ界全体で大きな話題となり、フェルスタッペンのすでに伝説的なものとなっているキャリアに、さらなる興味をそそる要素を加えることになるだろう。しかしながら、本人はそのような計画を立てていない。
■将来的なル・マン出場に関心
ルイエンダイクがインディカーで走る姿を見たいと述べた一方で、フェルスタッペンはインディカー、特にオーバルレースは自分の将来には含まれていないことを明確にしている。
「少なくとも、インディカーで三冠を狙う野心はない」とフェルスタッペンはかつて記者団に明言した。
「実際、あのドライバーたちのやっていることは狂気じみている。彼らの仕事には大いに敬意を払っているが、僕は特に今はF1に長くいるので、命を危険にさらしたり、例えば足を怪我したりする必要はない。もうやる価値がないと言っておこう」
26歳のフェルスタッペンは、他のモータースポーツ、特に耐久レースへの興味を示しているが、インディアナポリス500での勝利が必要となる三冠制覇への挑戦については否定している。
「もしかしたらル・マンに出られるかもしれない。僕は耐久レースが大好きなので、何度か出場できればと思っている」
「でも、それ以外のことにはあまり重点を置いていない。僕はF1でも、自分がやっているあらゆることでも、できる限りベストを尽くそうと努力しているが、トリプルクラウンには興味がない」
[オートスポーツweb 2025年07月23日]