長崎原爆資料館を視察するノーベル賞委員会のフリードネス委員長(右)=23日午後、長崎市 ノルウェー・ノーベル賞委員会のフリードネス委員長は23日、長崎市を初めて訪れた。長崎原爆資料館などを視察し、「被爆者の歴史や話を引き継ぎ、語り伝えられるのは今だ」と訴えた。
資料館で展示を見て回るなどした後、芳名録に「苦しみを、平和への永続的な訴えへと変えてきた人々をたたえる」と英語で記帳。若い世代に向け、「被爆者がまだ語っていただける存在である今こそ、機会を逃さず、何が起きたかを学び、世界に発信してほしい」と語った。
その後、同市の長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)事務所で被爆者や被爆2世と懇談した。長崎被災協の田中重光会長(84)は「被爆者のやってきたことを評価してくれて、非常に頼りになる」と顔をほころばせた。
同委員長は資料館訪問に先立ち、長崎市役所で鈴木史朗市長らと面会。ノーベル平和賞のメダルのレプリカを貸与した。そのほか、平和活動に携わる学生らと意見交換を行ったり、同市の爆心地公園で献花したりした。22日に広島市を訪問している。