舞台『飛び立つ前に』日本初上演 橋爪功、若村麻由美、岡本圭人、前田敦子ら集結

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2025年07月24日 06:10  クランクイン!

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舞台『飛び立つ前に』メインビジュアル
 橋爪功、若村麻由美、岡本圭人、前田敦子らが出演する舞台『飛び立つ前に』が、11月23日より東京芸術劇場 シアターイーストにて上演されることが決定した。兵庫、島根、宮崎、秋田、富山での公演も予定されている。

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 フランスの小説家・劇作家フロリアン・ゼレールは、日常に根ざした人間の心の機微を鋭く描き出す作品を次々と発表し、注目を集めてきた。なかでも、家族をテーマにした3部作――『Le Pere 父』(2019)『Le Fils 息子』(2021/2024)『La Mere 母』(2024)は、日本でも上演され、観客・批評家の双方から高い評価を受けている。

 本作『飛び立つ前に(Avant de s’envoler)』は、『Le Pere 父』にも主演したフランス演劇界の名優ロベール・イルシュのためにゼレールが書き下ろした作品であり、彼が91歳で出演した最後の舞台でもある。その後、英訳版『The Height of the Storm』としてジョナサン・プライス主演で英国・ウエストエンドおよび米国・ブロードウェイで上演され、成功を収めた。以降も世界各国で上演され続けている、国際的に高く評価されている作品だ。日本では、今回が待望の初上演となる。

 現代社会の中で複雑に絡み合う“家族”の姿を描いた『飛び立つ前に』。老い・愛・別れといった身近なテーマをミステリアスで繊細な心理劇として描く本作に、フロリアン・ゼレール作×ラディスラス・ショラー演出タッグの舞台ではお馴染みのメンバーに加え、初参加の俳優まで、実力派の俳優陣が集結した。

 物語の中心となる著名な作家・アンドレ役には、2019年に上演された『Le Pere 父』で認知症の父を演じ、菊田一夫演劇賞および読売演劇大賞・最優秀男優賞を受賞した橋爪功。その妻・マドレーヌ役には、『Le Pere 父』で読売演劇大賞・優秀女優賞を受賞し、『Le Fils 息子』『La Mere 母』でも高い評価を得た若村麻由美。また、『Le Fils 息子』で初舞台を踏み、再演時には『La Mere 母』とあわせて紀伊國屋演劇賞を受賞した岡本圭人も出演する。

 さらに、映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍し、透明感のある演技が印象的な奥貫薫と、近年では映画・ドラマにとどまらず舞台でも目覚ましい活躍を見せる前田敦子が、それぞれ娘役を演じる。そして、元宝塚男役トップスターで、現在は舞台を中心に重厚な演技で魅了する剣幸が、謎の女性役として初参加。物語にさらなる奥行きを加え、一筋縄ではいかないこの作品に華を添える。

 舞台『飛び立つ前に』は、東京芸術劇場 シアターイーストにて11月23日〜12月21日、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて12月26日・27日・28日、島根県芸術文化センター「グラントワ」 大ホールにて2026年1月10日・11日、メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)演劇ホールにて2026年1月17日・18日、あきた芸術劇場ミルハス 中ホールにて2026年1月24日・25日、富山・オーバード・ホール 中ホールにて2026年1月31日・2月1日上演。

※橋爪功、若村麻由美ほかのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■橋爪功

 今回の出演を決めたのは、『Le Pere 父』で一緒に仕事をした演出家ラッドとの再タッグに魅力を感じたからです。『父』では、作品に強く引き込まれ、「またラッドの演出であればぜひ出演してみたい」と思いました。また、認知症の家族を持つ観客が「まさにあんな感じだった」と語ってくださり、作品の力を実感しました。今回の作品も、登場人物の存在すら曖昧に描かれており、観る人によって解釈が大きく異なります。その曖昧さが芝居として成立している点に、作家ゼレールの力を感じます。ある種、「自分が演じているこの芝居を、観客として観てみたい」と思わせてくれる舞台なのです。

■若村麻由美

 作家フロリアンと演出家ラッドに出逢えたこと、家族3部作全てのアンヌ役を務めさせていただけたこと、またやろう!と言っていただいたことは俳優冥利に尽きこの上なく幸せでした。しかしこの4作目の参加には大変躊躇いました。第1作目『Le Pere 父』で父娘役を演じた橋爪功さんと50年も連れ添った夫婦役! 私に務まるとは思えなかったからです。紆余曲折の末、プロデューサーやラッドの想いを受け、橋爪さんの胸をお借りして「飛び立つ」ことに決めました。大いなるチャレンジです! 『La Mere 母』とは全く違う母になりそうです。

■奥貫薫

 昨年の春に『La Mere 母』『Le Fils 息子』を観た時の胸の高鳴りを、今でも憶えています。幾つもの場面が、まるで1枚の写真や絵画のように鮮やかに心に残りますが、人生というのはそんなふうに美しい一瞬一瞬の積み重ねなのだということを、2つの作品は示してくれました。今回、その続編とも言える『飛び立つ前に』に参加できることとなり、奇跡のような出会いに感謝するばかりです。スタッフキャストの方々、そして劇場にお運びくださるみなさまと、濃密な演劇の時間をご一緒できることを、今から楽しみにしています。

■前田敦子

 もう一度ご一緒したいと夢見ていた橋爪さんと、また同じ空間でお芝居できること、本当に嬉しく思います。そして素晴らしい戯曲で尊敬する橋爪さんの娘役を務めさせていただくことに、静かに気持ちが引き締まる思いです。共演者の皆さん、スタッフの皆さんとご一緒できる時間を大切に、丁寧に作品と向き合っていきたいです。

■岡本圭人

 『飛び立つ前に』どのような舞台になるのか全く想像がつきません。普段はそのようなことは思わないのですが、演出家ラッドの魔法のような演出を受けると、自分の想像を超える世界が広がるからです。「愛情」「喪失」「幸福」「悲哀」様々な感情が渦巻いて嵐のように吹き荒れていきます。劇場で感情の嵐を起こせるよう、ラッドの魔法に身を委ねて、新たな世界に飛び立ちたいと思います。素晴らしいキャストの皆様とご一緒できることをとても名誉に思います。心を込めて稽古に励みます!

■剣幸

 不思議な魅力を持つ作品と出会いました! 誰にとっての現実なのか、それとも回想? 夢…? 何が正解か、はっきりしたことを知りたくなる。これが現実だと信じたい結末はホッとします。翻弄される心地よさ、きっと作者の思うツボに、ハマっています。

 共演させていただくのは、皆さん初めましての方ばかり。楽しみでなりません。そして何より橋爪功さんと同じ舞台に立てることは、光栄であり、幸せです!

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