記者団の質問に答える立憲民主党の野田佳彦代表=23日午後、国会内 野党各党は、日米両政府の関税交渉合意を受けて石破茂首相(自民党総裁)の進退判断が早まるかなど自民内の情勢を見極めている。立憲民主党の野田佳彦代表や国民民主党の玉木雄一郎代表は動向を注視する考えを強調。首相退陣を見据えつつ、その後の対応は「手探り」の域を出ていない。
首相進退を巡る自民の状況について、野田氏は23日、国会内で記者団に「下野論もあるようだし、政権を取り続けていこうという可能性もある」と指摘。「状況を見ながら判断したい」として、推移を慎重に見極める考えを示した。
首相が辞任した場合、国会で首相指名選挙が行われる。野党が一致すれば「野党候補」が選出される可能性があるが、野田氏は「気が早い」と述べるにとどめた。野党が統一した行動を取れるかは見通せておらず、玉木氏は23日の講演で、首相指名選挙の投票について「『玉木雄一郎』と書く」と表明した。
玉木氏は、自民総裁が代わった際の自公連立政権入りについて「自民内政局を見守りたい」と言及を避けた。「国益に合致することは協力したい。これまでも政策本位で、協力できるところは与野党関係ない、ということで臨んできた」と説明した。
日本維新の会の岩谷良平幹事長は記者会見で、自民総裁が交代しても「連立入りは基本的に考えていない」と発言。政策ごとに「是々非々」の立場で向き合う姿勢を強調した。
一方、野田氏は関税合意について「国益にかなう交渉だったか検証したい」と述べ、8月1日召集の臨時国会で審議が必要との考えを示した。国内経済に与える影響を踏まえ、「2025年度補正予算の必要性が出ることは十分あり得る」と主張した。