
【動画】全ては息子の失踪から始まった―『ディア・ストレンジャー』予告編
真利子哲也監督の6年ぶりの最新作となる本作は、全世界に向けて各々の文化圏の人々に届く濃密なヒューマンサスペンス。主演は西島秀俊。その妻役には、ベルリン国際映画祭の最優秀作品賞を受賞した『薄氷の殺人』や『鵞鳥湖の夜』に出演するなど、台湾を代表する国民的女性俳優のグイ・ルンメイ。
ニューヨークで暮らす日本人の賢治(西島)と、台湾系アメリカ人の妻ジェーン(グイ)は、仕事や育児、介護と日常に追われ、余裕のない日々を過ごしていた。ある日、幼い息子が誘拐され、殺人事件へと発展する。悲劇に翻弄される中で、口に出さずにいたお互いの本音や秘密が露呈し、夫婦間の溝が深まっていく。ふたりが目指していたはずの“幸せな家族”は再生できるのか?
解禁された予告編では、ニューヨークで暮らすアジア人夫婦に突如として起こった「息子の誘拐」という悲劇をきっかけに、崩壊していく夫婦の姿が描かれる。廃墟の研究を専門とする大学助教授の夫と、劇団のアートディレクターとして夢を追う妻。息子の誘拐を契機に、これまで抑え込んでいた感情があふれ出し、互いを責め合う姿が、不穏な音楽とともに映し出されていく。「カイ(息子)に話すべきだった」と語られるセリフからは、この家族に隠された“秘密”の存在が仄めかされる。徐々に理性を失い、壊れていく夫婦。混沌と感情が暴走する中、暗闇の中で放たれた一発の銃声と、その閃光に照らされる“謎の人形”のカットが強烈な印象を残す。
息子の誘拐事件をきっかけに、自分自身を見つめ、封印していた想いを吐露するふたり。「あなたを好きだったか、わからなくなってる」。変わらない愛は存在しないのか? 壊れてしまったものは取り戻せないのか? 予告編の後半では、事件をきっかけに露わになった“秘密”や“疑念”を乗り越え、新たな関係性を築こうとする2人の明るい行く末を予感させたのもつかの間。それを打ち破るアラートのような緊迫感の音とともに、謎の人形とそれに対峙する夫の姿が映し出される。彼が手を差し伸べた先には一体何が待ち受けているのか―。
予告編とともに、本ポスタービジュアルも公開された。ニューヨークの街を背景に、割れた窓ガラスや瓦礫が散在する廃墟にたたずむ夫と妻。そして、ふたりの間でじっとこちらを見つめる謎の人形。「愛が、試される」というコピーも相まって、この謎の人形こそが物語の鍵を握り、2人の運命を左右する存在なのか。あるいは、2人の行く末を審判する存在なのか。見る者の想像力を掻き立てるビジュアルデザインとなっている。
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