2時間サスペンスの“最後”だけ!“時短ドラマの決定版”『崖』は「笑いに例えると新喜劇」【友近&西井監督独占インタビュー】

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2025年07月24日 12:00  ORICON NEWS

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連続ショートドラマ『崖(がけ)』独占インタビュー(左から)友近、西井監督 (C)ORICON NewS inc.
 テレビ朝日とKDDIが共同展開するショートドラマアカウント【スキドラ】の第3弾作品として、友近主演の連続ショートドラマ『崖(がけ)』が配信されている(スキドラ公式YouTube、TikTok、Instagram、X)。昨年配信され、430万回超再生の人気作「友近サスペンス劇場」の西井監督が手がけ、「2時間サスペンスの“最後”だけやる」をコンセプトにした、毎週約10分でクライマックスを楽しめる“時短ドラマの決定版”。友近と西井監督に独占でインタビューを行った。

【場面カット】まさかの船越英一郎!連続ショートドラマ『崖(がけ)』

 友近が演じるのは、主人公のフリーライター・黛京子(まゆずみ・きょうこ)。普段はフリーライターをしながら生活しているが、なぜか事件関係者と接触する機会が多く、そのたびに事件を独自に調べ、持ち前の推理力を発揮して犯人を見つけ出す。京子によって崖に追い詰められた犯人は、その悲しくも身勝手な事件の背景を語り始める。

 キャストも豪華で、第1話には星野真里&小手伸也、第3話には“27クール連続ドラマ出演”という日本記録を打ち立て、“連ドラの鉄人”とも呼ばれる内藤剛志、最終話となる第6話には、在京民放全てで2時間ドラマの主演を務めた帝王・船越英一郎が登場する。

■ずっとラストシーンが続く“爽快感” 内藤剛志、船越英一郎ら“大御所”たちの面白いことへの貪欲さ

――今回の経緯について

【西井】
テレビ朝日さんのドラマチームから「崖だけのドラマを作る」というお話をいただきました。本当に、その企画単体で始まったということで、プロデューサーの方が監督候補をいろいろと探している中で、友近サスペンスの存在をご存知になり、私の方に話がきました。僕としては、サスペンスといえばもう友近さんということで、今回もお声がけいたしました。

【友近】
(サスペンスのラストシーンである)崖に特化して、そこだけで展開するのは新しいなと思いました。犯人もわかっていて、最初からすべてネタバレしているという切り口は、面白いなと。

――実際に撮影をしてみていかがでしたか?

【西井】
ずっとラストシーンというのはやはり斬新でした。友近サスペンスを作った時も、ラストシーンは爽快感のようなものがありましたが、今回はその爽快感がずっと続いている感じがこれまでにない経験でした。

【友近】
友近サスペンス劇場は、全体の世界観が「ボケ」になっていたので、本編の会話とかはボケずに“あの頃っぽいこと”をやっているんですよね。だけど、『崖』は本編の会話などからも「ボケてますよ」というのがわかりやすくて、お笑いに例えると新喜劇なのかなと。「ここ笑うとこですよ」というのが、ちゃんとわかりやすい。友近サスペンス劇場は、自分たちで面白さを探してくださいよ…というものなので、まったく違う対照的なものだなと感じています。

――出演者の方も、かなり豪華です。

【西井】
本当に恐縮です。船越英一郎さん×崖というのも実現しました。現場に来られた時点で、船越さんのお芝居が完全に出来上がっていて。「そういう動き方があるんだ」と、勉強させていただきました。レジェンドと呼ばれる所以を、体感しました。

【友近】
船越さんも、内藤さんもですが、やっぱり大御所の方になればなるほど、いろんなことを経験されているから、次は面白いものをやっていきたいっていう気持ちがお強いのかなと感じます。内藤さんも「なんか面白いことやろうよ!」とか「今度、また友近サスペンス劇場があったら、オレ通行人役でもいいから出してよ!」とか言ってくださるんですよ。船越さんも、そういう楽しいことやるのがお好きで。お2人のような方々が出てくださると「なんか本物になってきたぞ」という感じになりますので、ありがたいですね。

――作品の中には“2時間サスペンスあるある”が、ふんだんに詰め込まれています。お2人が特にこだわったところがありましたら、お聞かせください。

【西井】
「せつなさ」みたいなところは、絶対に出したいと思っていて、波のシーンをあえて挟み込んだり、せりふとせりふの間の“のりしろ”というか、何もしゃべってないようなところを気持ち伸ばしたりとかはしてみました。

【友近】
最後のシーンのおちゃらけのところは、私もコントなどでよくやるのですが、それが今回のドラマにも入っているのはうれしかったですね。

■最初に撮影してくれたカメラマンとの“あうんの呼吸” 「人生一度きり」の精神で“好き”を形に

――カメラマンさんは、友近さんとゆかりのある方が担当されたと伺いました。

【友近】
そうなんですよ!木村くんという、私が20歳の時、愛媛のローカルタレントというか、レポーターをやっていた時に、最初に私を撮ってくれたカメラマンで。木村くんも面白い人だったので、気が合って、愛媛で5〜6年一緒にずっとやっていて。芸人になってからは、全然一緒に仕事していなかったんですけど、振り返ってみると「木村くん、面白かったな」みたいなことを思うこともあって、芸人になった私と仕事でご一緒できればと思っていたんです。

それで今回、木村くんのセンスでやったら面白そうやなと思って、カメラマンを担当してもらいました。やっぱり理解が早いというか、私が気にしてるところをわかっているんですよね。私は下っ腹を隠そうとして、バックを置いて「横から撮らんようにしてや」とか言うと「知ってる」みたいな(笑)。もちろん、それ以外でも、いろんなセンスがある人なので、現場が楽しかったですね。

【西井】
一発でわかってくれるというのは、本当になかなかない経験でした。カメラマンさんに説明をする中で「そうじゃなくて、こうなんだけどな」みたいなことって、どうしても起きるのですが、木村さんはそれがまったくなくて。例えば「ズームインでお願いします」という時も、ズームインのスピードとか、ちょっとした動かし方とか、もう完璧なんですよ。友近さんが思い描いていることも、すぐ想像できる方なんだろうなと。

【友近】
クリエイティブな人ですね。彼自身、いろんな映像とか作るのも好きな人で、昔から『仁義なき戦い』とかが好きなので、その中に出てくる人物のものまねをしたり、本当面白い人なんですよ。くだらないふざけたことを2人でキャッキャ言いながら仕事をしていた仲間だったので、今回一緒にできて、うれしかったです。

――映像の質感も、さすがの仕上がりでした。

【西井】
今回は特に、フィルムっぽさを再現しようと試みました。当時のような発光感というか、ちょっと光ってる感じがあるんですけど、その辺りはけっこう忠実に。あとは、昔の土曜ワイド劇場のオープニングのような予告編であったり、テレビ朝日さんとKDDIさんという座組だからこそ遊べた部分も大きかったです。

――水谷千重子さんは、明治座で4度目の公演を行われるなど、確立した地位を築かれています。友近さんは、友近サスペンス劇場も含め、ご自身の「好き」を形にする力に長けているように思うのですが、どのような努力をされているのでしょうか。

【友近】
私、座右の銘が度々変わるのですが、今は「人生一度きり 何でもチャレンジ」という姿勢で、やっています。熱を持ってやれば、友近サスペンス劇場が実現したように次につながっていくんやなと思うんです。それを見た人たちが「あの人が動けば、こういう人たちが集まるんだ」とか、クリエイティブなことをやっていくと誰かが認めてくれるんだとか、そういうのが自分自身でもわかってきますし、周りで見ている人もなんとなくそれがわかってきてくださって、いろんなことが実現しているのかなという気がします。

【西井】
八面六臂という言葉がまさに当てはまる天才だと思うんです。西尾一男の時は西尾一男にしか見えないですし、水谷千重子さんの時は千重子さんにしか見えない。どうしても、多少は似てくるはずなんですがそれがなくて、しかもそれぞれのファンがいらっしゃるというのが、すごいですよね。

――普遍的なストーリー、人間の喜怒哀楽が詰まった「2時間ドラマ」の魅力について

【友近】
犯人が必ずどこかにいる、それを推理しながら見ていく楽しさと、「うわ、そこでひっくり返された」とか、見ている方が一緒になってのめり込めるのが、醍醐味だなと思います。私は「この俳優さん出てきたってことは、この人が犯人ちゃうか」とか、キャスティングでの想像も楽しんでいます。昔なんて、あり得ないシチュエーションもやっぱりいっぱいありましたよね。まだ技術が発達してない時とかに、絶対これ人形やんみたいな(笑)。ああいう面白さもありました。進化していても、やっぱり泥臭さというか、年配の方が楽しめるっていうところもひとつ大きいと思うんです。難しすぎてもアカンし、いろんなことがなんかお決まりのパターンみたいなのがあって、そこの中で推理ができるのが魅力だなと思います。

――改めて、最後に『崖』についてメッセージをお願いします。

【西井】
あり得ないシチュエーションや、ある意味コントの要素、2時間サスペンスならではのラストシーンのせつなさみたいなところも混ざった、新感覚のドラマだと思います。これからも強力でパワフルなゲストも出てきますので、皆さんご期待いただければと思います。

【友近】
2時間サスペンスを10分で見ることができるっていうことで、最初は10分でわかるかなと思ったんですけど、見てみると、こういう事件だったんだって本当にわかるんです(笑)。こんな短時間でポンポンと見られるサスペンスって今までなかったと思うので、お忙しい方もぜひ空き時間、移動時間にご覧になってください!

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