野村万作ファミリー集結 息子・野村萬斎や孫・野村裕基&野村彩也子アナも ドキュメンタリー映画舞台あいさつで「本物の国宝です」

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2025年07月24日 21:03  ORICON NEWS

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映画『六つの顔』完成披露試写会に登壇した(左から)野村裕基、野村万作、野村萬斎、犬童一心監督、野村彩也子 (C)ORICON NewS inc.
 人間国宝の狂言師の野村万作(94)、万作の息子で狂言師の野村萬斎(59)、萬斎の息子で狂言師の野村裕基(25)が24日、万作の母校である早稲田大学の大隈記念講堂大講堂で行われた万作を追ったドキュメンタリー映画『六つの顔』(8月22日公開)の完成披露舞台あいさつに登壇した。MCは、萬斎の娘のTBS野村彩也子アナウンサー(27)が務めた。

【写真】美しい!MCを堂々と務めた野村萬斎の娘・野村彩也子アナ

 彩也子アナの呼び込みで万作らは登壇。万作は「学生時代からこの講堂にしょっちゅう来ておりました。ここでこの映画が上映されるということは僕にとっては大変にうれしいことでもございます」としみじみ。萬斎は「父の90年の足跡を犬童(一心)監督に撮っていただいたのを今ご覧いただきました。感想をSNSなどでちょうだいできればと思います」と笑顔。裕基は「早稲田大学卒業ではなく、私は慶応の卒業なんですけれども。慶応の講堂より早稲田の講堂に立たせていただくことの方が多い」と冗談交じりに話して笑わせていた。

 万作は自由気ままにトークを展開。萬斎ら家族がそろってフォロー&ツッコミを入れるなど、ファミリー感あふれる舞台あいさつに。父・万作について、萬斎は「無形文化財ですから。本物の国宝です」と大ヒット映画『国宝』を想起させる話でわかせていた。

 改めて父・万作について問われると萬斎は「父というより師匠であるということが、すごく大きい特殊な家庭であったなという気はいたしますよね」と振り返る。その上で「家族でやってるもんですから、師弟でもあるんですけれども、同じように考えていくことがとても重要に思います。僭越ながら、同志でもあり、同業者でもあり、共演者でもあるところがとても重要です。僕らは単なる技芸を受け継ぐだけではなくて、精神を受け継ぐところがありまして。新しいアップデートされていく時代に合わせて、自分たちが何を守り、何を更新していくのか。そのためのいろいろなチャレンジを惜しまないことを身をもって見せてくれた。そういう意味で、本当に先達、先人ですね」と感謝。「我々は『猿に始まり、狐に終わる』と言いますけれども、まさしく獣の世界です。まず餌を取ってみせる。『こうやって取るんだよ』と口では説明しないわけです。姿を見せて、見様見真似で初めて覚えていく。そういう意味で、特殊ではありますけれど、そういう背中をずっと見せてきてくださったなと思っております」としていた。

 裕基も祖父・万作への思いを話すことに。「映画を見て私も思ったことで、普段から見ても思うことではあるんですけども万作先生は芸に実直。94歳になって『ややあって、また見る月の高さかな』ということを心に容しているということをおっしゃっている。最高到達点はどこになるんでしょうか、と思ってしまうんですけれども。古典芸能に限らず、いろんな表現者として活動されている方にとって94歳でもまだ高みを目指す気持ちと精神の体力と持ち合っている万作先生は本当に改めて大きな存在なんだなということを私は感じました」と述懐した。

 笑顔で聞き入っていた万作は舞台あいさつの締めのコメントをすることに。「当たるといいですねぇ」と一言言うと会場は万雷の拍手が鳴り響いていた。

 650年以上にわたり、生きとし生ける者の喜怒哀楽を笑いとともに表現し、人々の心を魅了し続けてきた「狂言」。 人間国宝の万作は、その第一人者であり、今なお現役で舞台に立ち続ける。3歳で初舞台を踏んでから、長きにわたり狂言と向き合ってきた万作は、2023年に文化勲章を受章。本作では、受章記念公演が行われた特別な1日に寄り添いながら、万作の過去と現在の姿を浮かび上がらせる。万作が公演で演じるのは、近年、ライフワークとして取り組み、磨き上げてきた夫婦愛を描く珠玉の狂言『川上』。映画では、物語の舞台である奈良の川上村・金剛寺の荘厳な原風景もぜいたくに収録。万作が長年追求してきた世界観をその至芸とともにスクリーンに刻む。

 さらには、90年を超える芸歴のなかで先達たちから受け取りつないできた想いや、今もなお、高みを目指して芸を追求し続ける万作の言葉を収めた貴重なインタビュー映像も交え、息子・野村萬斎や孫・野村裕基をはじめとする次世代の狂言師とともに舞台に立つ姿を臨場感あふれる映像で映し出す。

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